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狩りの極意 5
と同時に土田の脚に何かが刺さった。
それがメスであると確認した次の瞬間、凄まじい勢いで後方へ引き摺られ始めた。
「なあぁぁあぁぁあぁぁあぁ!!」泥が、砂利が、苔が土田の全身に付着していく。もがいた手の平が擦過傷にまみれていく。
引き摺られ、引き摺られ、ホームズが見えなくなってもまだ引き摺られ、それからしばらく経ってようやく止まった。
「何じゃあワリゃあ……!!」引き摺られた先に居たのはジャックだった。またニヤニヤと艶笑する。
「アハハ♪何って君を助けに来たんだよ?」
「じゃかましいわワレ!!あともうちょいで……」
「君が殺られてた♪」
完全に癇癪を起こした土田がジャックに刀を振り上げた。
だが、直後ジャックが連れたブレンダに銃の台尻で首を殴られ、失神し、崩れ落ちた。
「借りを返したわよ、糞野郎」ブレンダが地に伏す土田の腹を蹴る。
「猪にはたっぷり調教が要るね、アハハ♪」ジャックがまた笑った。