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狩りの極意 3
その影を追う。
「待ちぃや、貴様!!」
その時、足元から不可思議な音が。
糸が千切れる時のような弾けた短い音だった。
とっさに飛び退くと、目の前をワイヤーが掠めた。
ブービートラップだ。
土田はその刹那理解した。
男はコレで殺られたのだ、と。
「こすいモン使わずに堂々と勝負せぇや!!」
すると、
「ヤだよ、お前みたいな猪紛いみたいな奴と殺り合うのは」とどこからともなく返事が返ってきた。
「男気見せんかい!!阿呆だら!!」土田は再び走り出した。
だが、その直後。
土田の右の二の腕に激痛が。
そこにワイヤーがめり込んでいた。
後ずさると、今度は痛みが背中を真横に走った。