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死 13
土田は現在一人。
ブレンダを助けたので一人だ。
「私は四人」そのブレンダが言った。「二年掛かってようやくよ」
「待てや、二年で四人かい。遅すぎるんやないかいのぉ」土田は挑発的に笑った。「ワシゃここん来て間もなしに一人殺ったわいのォ?えぇ?」
「……んじゃ、殺してきてみたら?今すぐに」
「何や、そん目は。やったろうやないかい。十でも百でも殺ったる。まず、ここで……二人やな」
ブレンダがライフルを構えた。土田はとっさに立ち上がると、その銃口を刀で払い除け、彼女の懐の中に入った。
だが、土田の動きはそこで止まった。
ジャックが土田の喉元にメスを突きつけたのだ。目にも留まらぬ早さだった。
「僕のセフレに一体何しようとしてるんだい?お兄さん」
メスのほんの切っ先が喉にめり込む。雀の涙ほどの血液の滴がそこから流れ落ちた。
「あのねぇ、聞いて。聞かないと今にも先にも死ぬことになるよ?」