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死 1
「らぁあぁぁあぁ!!」
前田組若頭、土田寛平は日本刀を振るった。
すると、前にいた男の頭が吹っ飛んだ。
深夜の大阪市で前田組と相田組との抗争が勃発していた。
前田組若頭、土田寛平が部下四十人を率いて、相田組三十人を討つ。
だが、前田組は劣勢にあった。
相田組の連中が手榴弾を装備していたのだ。
土田のすぐ横で爆発音が鳴り響いた。
振り向くと、組の者がまた一人犠牲になっていた。
下半身を丸ごと吹き飛ばされ、血溜まりの中で無意味に両手をじたばたさせていた。
既に半数以上が殺されている。
土田は叫んだ。
手榴弾が迫る。腕で跳ね除けると、すぐ先の空中で爆破した。
粉塵の中でまた斬る。
最寄りの男の胴を唐竹割りした。
だがその直後、発砲音が。