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マルボとキャス  作者: 苺堂本舗


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4/14

【第4話:Under bear】

河川敷の下――


誰も気づかないような古びた階段の奥ー

チカチカと不安定に点滅するネオン看板。


そこには「Under bear」の文字が輝くー


カランカランカララ〜ン♫

ドアを押し開けマルボは、慣れた足取りでカウンター席に座る。

中は狭く、暗く、酒の匂いが染みついていた。

天井のファンはギィギィと鈍い音を立てて回っている。

しばらくして、奥のカーテンがひるがえると


「待ってたクマ〜〜〜♡」


商店街にいたクマの着ぐるみが、ぴょこぴょこと現れた。


「マルボ、元気してたクマ〜?♡ 今日ね、スペシャル カクテルあるクマよ!でもお子ちゃまには、

 ちょぉ〜〜っと刺激が強いかもぉ〜♡」


「はぁ〜…」

マルボはうんざりした顔で、ため息をつく。


「……ロゼいいから早く脱げよ、その頭……」


「えぇ〜〜!?こんなにカワイイのにぃ〜?」


着ぐるみの頭を脱ぎ、現れたのは――

ピアスをつけたポニーテールのギャル。


「っか〜〜!マジ暑っ……てか、マルボの頼みごと毎 回めんどすぎなんだけど〜

 あと、あれ!!毎回呼ぶ時に足蹴るのマ〜ジで

 やめて!あたし意外と打たれ弱い中身ガラスの

 陽キャなんだから〜⭐︎」


彼女ーロゼは、話しながら、慣れた手つきでヘアゴムを外し、髪が肩にさらりと落ちると軽く首を振って髪を散らした。


「……でも、私レベルになると〜楽勝♡

 ほらぁ〜マルボくぅん、お姉さんに

 も〜っと甘えていいのよ♡」


マルボは、顔を赤くし、慌て、イスごと倒れそうになる。


「ふふふウブなんだから〜

 こう言うところは子供なのにねぇ〜……」


カウンター越しにヒラッと封筒を見せつける

「これ、頼まれたやつ♡」


マルボは額を押さえて、低い声で。

「……あぁ、もう。さっさとよこせ……」


「はいはい……で?お支払いは〜?…カード?現金?

それとも……カ・ラ・ダ?♡」


マルボは顔も見ずに


「ほら。これで十分だろ」とカウンターに札束を置く。


ロゼがちょっとつまらなそうに口を尖らせた。


札束をレジに入れると、ロゼはカウンターに肘を立て顔をマルボに寄せる…


「でもさ〜…マジで足つけられたら

 ほんと…ぶっコロすからね?

 …ガチで。」


「……そんなヘマしねぇよ。じゃあな」

軽い身のこなしでイスから飛び降り、背を向けて手を振るマルボ。

そんなマルボの背中に向かってロゼは甘い声で

「は〜い、お客様一名お帰りで〜す♡

 いってらっしゃいませ〜〜ごっしゅじんさまぁ〜♡」

マルボはため息をつき無言で扉を開ける。

あのうるさいベルが、また鳴り響いた。


カランカラランッ!!


ドアにもたれマルボが呟く

「はぁ……マジで最悪……」


誰もいなくなった店内でロゼが呟く

「つまんないガキ…」


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