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マルボとキャス  作者: 苺堂本舗


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【第13話:成長】

バーアンダーベアー


カウンターでらロゼがグラスを磨いている…

奥のソファ席では、ラークがやる気なくだらしなく

寝転がっていた…


「……なぁ〜…あいつらぁ〜元気か?」


眠たそうに、天井を見ながらラークがぼそりと問う。


「超元気だけど?」


即答するロゼに、ラークは小さく

「あ〜そ〜〜〜……」と返す。


——沈黙。


「ふ〜ん……気になるんだ?」


カラン♫


ロゼが、ラークの前のテーブルに水の入ったグラスを置くと小気味よく氷が鳴る。


「別に〜」

ラークは言いながらグラスを取り、一口。


ロゼが隣のテーブルを拭きながら呟く


「マルボがね〜……」


ラークがびくりと身体を起こす。

「ん?マルボが!?!?」


ロゼがにやにやしながら噛みつくように笑う。

「ちょっと〜ちょーーー気にしてんじゃんw」

「うるせぇ〜なぁ……で、何だよ?」


「え?」


「あ〜その…マルボがどうしたって?」


ロゼは笑いながら話し出す。

「夜な夜な、トレーニング始めたの。

 あんた、なんか吹き込んだ?」


ふっ、とラークが笑う。

「あ〜?いやいや知らね」

「誤魔化すの下手かよ

 ……意外だったなぁ、あんたが子供好きとか」


「俺は老若男女み〜んな好きよ」


ロゼがくすっと笑い、タバコに火をつける。

煙がゆっくりと天井へ昇っていく。



「……あいつ、危なっかしくてな〜」


ラークは、ロゼの手からタバコを取って吸う。

「お前のタバコ、あっま! まっず!」

「なら吸うな!返せ!」

ラークの手から、ロゼの唇へタバコが戻る。


「……なんか、もっと笑わせてやりたくなんだよ。

 世の中の不幸を、全部ひとりで背負ってるような顔してるからな、あいつ……」


ロゼが煙ごしに柔らかく笑う。


「わかる気がする。……てか、アンタと似てるよ?」

「は?」

「やる気が無いようで、やる気がある。

 誰も大事にしてないようでー…

 誰よりも誰かを想ってる……

 そういう、あったか〜いところ」


ラークが揶揄うように

「ロゼちゃ〜〜ん、もしかして惚れちゃった?」

「おっさんは恋愛対象圏外なんで」

「……でしょうね〜〜〜」

「また、あの家に来れば?」

「いやいやいや、しつこいおじさんは嫌われるし

 俺一応〜組織のボスよ?

 そんな末端のガキのとこにそうそうね〜」



ーピ〜ンポ〜ン♫ー

玄関チャイムの音。


キャスがソファーでゴロゴロしながら

マルボに催促する

「私。いそがし〜から〜マルボ出て〜」

「は?お前出ろよ…」

見かねたロゼが玄関のドアを開ける



ガチャ



「来ちゃった♡」


そこには、コーラの箱を抱え照れくさそうに笑うラークがいた。


「俺一応〜組織のボスよ?とか言ってなかった?」


「いや、ほら部下を可愛がるのも仕事かな?って」


「まったく…」と呆れながらも

笑顔を隠せないロゼが道を譲る


ラークは無言でマルボの元へ近づき、そっとダンボールを置く。


「……土産…好きだろ?まぁ…冷えてねぇけど…」

「……おい……おっさん、なんだよこれ…

 俺はコーラはコカ派なんだよ。一途にさ」

「それは……残念だな。

 これは地方限定のクラフトコーラだ。

 世界には500種以上のオリジナルコーラが

 あるんだぜ?」

マルボの目が輝く。

「……クラフトコーラ!?」

すぐさま立ち上がり、冷蔵庫へ。

扉を開き一番いい位置に、そっと仕舞う。


ロゼが、それを見て静かに微笑む。


「ねぇ、キャスにもあるよね?もちろんあるよね?」


キャスが甘えたようにラークに近づく。


固まるラーク。


キラキラした瞳で催促するキャス


「えっと……」


キャスの笑顔が曇り始める。



「まっじでありえない!!バカ!バカバカバカ!!」

「今度!今度は絶対買ってくるから!」


「バカ……もういい……」


ロゼが笑い、そして

「ほんと、最低だね〜〜」


その声が、ラークの心に静かに刺さる。



「……おっさん、そろそろ吸いたいんじゃねぇか?」

マルボが、あごでバルコニーを示す。


「マルボぉ〜〜励ましてくれるの?

 優しいなぁ〜〜」


逃げるように、ラークがバルコニーへ向かう。


同じ場所、同じ位置。

あの日の夕暮れ時とー


「……おっさん。この前と同じことしてくれ」


「は?」


「……喉、締めるやつ」

「お前……そういうのが好みか?」


「面倒くせぇな……はーやーく!!」


ラークはマルボの首を掴み、柵へ押し付ける。

容赦はない。


しかし——

マルボが足を上げ、体を捻って腕に脚を絡ませ

関節を決めるー


あの時はできなかった反撃。


ラークの腕が極まり、ついにその手が離れる。

マルボは軽い身のこなしでラークから離れる。


マルボ、小さくガッツポーズした。


「……ホント、子供の成長は早いねぇ」

ラークは、誰よりも嬉しそうに笑っていた。


ラークは床に座りながら話す

「で?どうやって思いついたんだ?これ」

「大変だったんだよ…まずデカブツにはダメージ系は効かないだろうからさぁ〜で毎晩考えてさぁ〜関節は誰でも弱えぇってさ」


おもむろにラークがタバコを取り出す


「ラーク……タバコって、美味い?」

マルボがぽつりと尋ねる。


「ばーか。まだまだはぇぇよ」

鼻で笑いタバコに火をつけたラークが

ゆっくりと深く吸い込む。


「……でも、この一本は


 最高に、美味ぇわ……」


「でさーーー壁を使うのも考えたんだけどさーー」


無邪気に笑いながら話すマルボを

窓越しに見つめるロゼー


「いつの間にか仲良くなっちゃってさ


 な〜んか悔しいんですけどっ」


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