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第四十話 氷のゴブリン
フェリだ。
目の前に立っているのは、間違いなくフェリ。
……助かった。迷宮攻略するとは言っていたがなんでこんな場所に。まぁいい。フェリが来たならこの階層を突破できる。
――フェリがいてもさばききれない。何もない場所から突如として出現しているみたいだ。だとしたら出現元を叩かなければならないのか。それはどこに。
「みんな!出現元を探せ。そいつを叩けば突破できるかもしれない。」
どこだ。どこにいる。いるはずだ。
……違う。
ゴブリンの影が、天井から落ちてきている。
――上だ。なんで気づかなかったんだろう。最初から、上から落ちて来ていたのに。イエリスに伝えても時間が足りない。どうする。こういうときの連携が足りない。
「出現元は真上だ!フェリ、殲滅を継続。グランは防御、イエリスは上を撃て」
――死ぬかと思った。一、二階層でこれでは。一匹のエンシェントドラゴンとかのほうがまだマシなのかもしれない。いるとしても、最下層だが。そこまでたどり着けるかどうか。
よし、休憩したら、三階層に進もう。
このとき俺は、まだ知らなかった。
この迷宮に潜む本当の影を。




