第四話 謎の魔法使い
辺りはすっかり暗くなっていた。俺と女は焚き火をすることにした。
焚き火を起こし、落ち着いてきたので俺は改めてお礼を言った。
「......さっきは、本当に助かりました」
女は何も言わなかった。しばらくの沈黙のあと、やがて口を開いた。
「気にしないで。通りがかっただけだから」
「ところで、何をしていたの?」
氷の刃が風を切る音を立て、俺めがけて飛んできた。反射的に「リトライ」と叫び、時間を五秒巻き戻す。
えっ、今の何だよ。急に攻撃してきたよな?
「ところで、何をしていたの?」
その言葉を聞くだけで生きてる気がしなかった。
俺は女が言い終わる前、咄嗟に身をかわした。
――えっ? 待って。
今の攻撃、来るのが分かっていた動きだよね?
ここにいる理由も分からないし......怪しい。
女は、俺を疑っていた。鋭い目で俺を見ている。
俺は本当に、いつも運が悪い。
どうすることもできず、俺は、能力のことや森にいた理由など、今までのことを、できるだけ話した。勇者を追放されたこと以外は。そして俺は強くなりたいとつい、口に出してしまった。
「使い方次第でかなり面白そうね。修行してあげようか? ついて行っていい?」
――俺を疑っていたとは思えない、温かい言葉だ。
仕方なく、俺は女を連れて行くことにした。......一人よりは、ずっとマシだ。
強くなる第一歩として、街で装備を新調することにした。
だが、装備を変えただけで、本当に強くなれるのだろうか。




