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第三十四話 十年前の姿の町

町までは、あと半分くらいだろうか。


さっきから、歩いているだけなのに、巻き戻しが勝手に発動しそうな感覚が続いている。


なのに、イエリスの機嫌が、明らかに良くなっている気がした。


また面倒ごとの最中だというのに、機嫌が良くなるなんて普通じゃない。

初めて会ったときから、イエリスはどこか分からないところがある。


確か、この辺りに小さな集落があるはずだ......


——あった。


だが、何かがおかしい。

家の造りが、少し前のものだ。


今は家の多くが木造なのに、ここでは屋根が藁で造られている。


集落に入ると、一人の男が話しかけてきた。


「こんにちは。こんな集落に来るなんて、珍しいですね」


俺は、屋根が藁で造られている理由を聞いてみた。


「今の時代じゃ、藁造りが普通でしょう?」


......そういえば、服装も古いのか?服には興味がないのでわからない。


ここも、時間が戻っているのか?


巻き戻しの感覚がさらに強くなっている。......急いだほうが良さそうだ。


——見えてきた。なのに、馬車や冒険者は通らない。王都もそう遠くないはず......でもさすがにこの状況では、出歩かないか。遠目で見てるからあまり良くわからないが建物にあまり変わりはなさそうだ。


——町に入ると十年前に戻ったと言われないとわからないほど賑やかだ。今の町の雰囲気とさほど変わらなそうだ。


周りを見ていると、視界の端に、見覚えのある三人の姿が映った。


......なんで、こんなところに。

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