第三十三話 過去に戻る町
町に戻り、ギルドに入った。
森の異変が嘘だったみたいに、ギルドの中はいつも通りだった。
でも、町に戻る間イエリスは浮かない顔をしていた。
グランでさえ、話しかけるのをためらっていた。
いつも通りカウンターに向かった。
俺は、森の問題はたぶん解決したと話した。確証がなかったからだ。
そう話した瞬間、周りがざわついた。
「花が原因?」
「そんな馬鹿な話があるか」
「でも、被害は止まったって......」
そんな声が聞こえる。
——やっと報告が終わった。
この森の話は重要らしく、ギルド職員はぐいぐいと質問してきた。
花が原因で、時間がおかしくなった。
老化、卵に戻る、過去の記憶......
魔物の仕業なのか?
......にしては、あまりにも高度すぎる。
人がやったとも思えない。
こんなことができる人間がいるなら、世界はとっくに壊れている。
——まあいいか。
解決した、はずだから。
たぶん。
結局、修行できていない。
イエリスがこんな状況だしできそうにもない。明日には立て直せるみたいだけど。俺だけでちょこっと依頼受けてみるか。
ガーゴイル、ゴーレムは一人じゃ無理そうだな。ハイオークぐらいならいけるかな?
なんとなく依頼を眺めていると、一つの情報が目に写った。
いくつかの地域が過去に戻ってしまっているらしい。ズレで言うと短くて二ヶ月で長くて十年らしい。
時間が地域単位で戻っている......森となにか関係でもあるのか?
ギルド長に聞いてみると、森とほぼ同時期に起こり始めたことらしい。始めは二ヶ月程度で影響はなかったが、少しずつ伸びていき今は十年も過去になってしまった町もあるらしい。町にいた人、動物までもが過去に戻る。凶悪な事件らしい。だから森のことを詳しく聞いたのだとか。
過去に戻った町に一回行ってみよう。王都の方に十年戻ってしまった町があるらしい。
王都はできるだけ近づきたくないんだよな。あの王様嫌なんだよな。勝手に追放してきたし、俺の話は一度も聞かなかった。
そんなことを考えていたら、巻き戻しが発動した。えっ?何もしていない。
何だったんだろう。ここで止まっていても仕方がない。十年戻った町......少し気になるけど、嫌な予感......不思議な感じがする。




