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第三十一話 ハズレとアタリ

——バリッ、バリッ......

歩くたびに誰かが踏んだ音。鬱陶しい。ここも、モチノキでもあるのか?


イエリスとグランは、さっきまでとは打って変わって妙に元気そうだった。

——いや、元気すぎる。時間が戻ってる影響で老化を免れたのか?でもこのままだと卵になってしまう。


......胎生だとどうなるんだ?卵になっているのは、多分みんな卵生の動物。

いや、そんな事を考えてる場合じゃない。


——ここだけ異様に割れた卵の数が多い。ワスレナグサが横に並んで三つ生えていた。モチノキと同じように破壊すれば抑えられるのか?


俺は真ん中のワスレナグサを破壊した。——イエリスとグランが一瞬にして小さくなって、消えてしまった。


えっ?ハズレってこと?お願い、巻き戻って......


......良かった。巻き戻った。このまま二人会えなくなると思うと涙が出そうだった。でも残り二つのどちらかが当たり。


左も右もどちらも壊したがどちらもハズレだ。もしかしたらどこかにモチノキがあるのかもしれない。


だめだ。モチノキなんてない。この三つのワスレナグサだけだ。二人の身長が縮んでいる。考える時間も、もうない。


三つ全部壊してみるか。順番の問題なのか。


——だめだ、全部試した。いや、待てよ。


ワスレナグサを壊すと卵が鳥や昆虫に戻り、少しずつもとの大きさになった。

順番じゃない。

——全部だ。同時に壊すべきだったんだ。


やっぱり戻った。時間が進む森と戻る森。西の森は一体......


俺は西の森に向かうため、東の森を後にした。ワスレナグサの下に書いてあった、「愛して」は気づくわけもなく。

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