第二十二話 決勝戦
決勝戦か……。
すでに体は限界だ。
俺が、フィールドに上がったときには、あのとてつもなく強い女騎士がいた。
なんか見覚えがある。
……あっ、フェリだ。
フェリだと思ったら一気に勝てる気がなくなった。
こないだは氷があったからなんとかなったけど。このままだと確実に負ける。
「決勝戦!
速さ、実力ともにトップのフェリ選手!
そして、相手の動きが見えていると噂のセデール選手です!」
観戦者は大盛りあがりだ。
「決勝戦、始め!」
こないだと同じように一気に距離を詰めてくる。
でもわかってる。俺は当たる直前に避けた。だと思った。フェイントだった。避けられる前提で動かれていた。
——やばい、当たる。この前と違う。
フェリも修行を積んでいる。
——巻き戻しだ。
フェイントを入れてくることは、もう分かっている。
なら、避けるふりをして踏み込もう。
うっ......だめだ。巻き戻しをして何をしても無意味だ。攻撃をされて意識が朦朧としている。もう三十回は巻き戻した。
同じ未来にしかならない......
こんなあっさり負けるなんて......
いや、あっさりじゃない。
俺は、全部やった。
「優勝者はフェリ選手!皆様、拍手を......」
民衆は今まで以上に大盛りあがりだ。
フェリを称賛するものも、俺を称賛するものもいた。
先を読んでいるつもりで、読まれていたのは俺のほうだった。
もっと修業が必要なのか......
イエリスは、
「……決勝まで行ったなら、勝ってほしかったな。」
ため息をしながら、近づいてきた。
——決勝戦の後に、フェリと少し話をした。その時にフェリは、迷宮攻略に行くと言っていた。迷宮攻略はいいけど、こないだ痛い目にあったしな......
「また、どこかで戦おう」と言ってフェリはどこかに行ってしまった。
魔物の討伐のほうが良さそうだな。
イエリスもそれがいいと言ってくれた。
でも、迷宮に行きたそうな目をしていた。
今日は何も考えず休もう。
明日、修行のために、魔物の討伐の依頼を受けてみよう。




