第二十一話 優勝への道
勝ったはずなのに、勝った感じがしない。
疲れが尋常じゃない。もう動けそうにない。
俺が攻撃を受ける前に避け続けていたせいか、観戦席はざわついている。
「あいつ、相手の動きが見えているのか?」
「弱そうなのに避けているぞ」
中には、「追放された勇者なんじゃないか?」なんて声まで聞こえた。
――本当にそうなんだけど。
なんとか足を動かしていると、イエリスが駆け寄ってきた。
「勝ててよかったね。……二回戦も、まあ、頑張って」
仲間なのに早く負けてほしいみたいな言い方じゃないか。ひどくない?
やっぱり初対面の時より冷たいよな。優勝して強くなったんだと言わないと。
二回戦は、長期戦型アタッカー、三回戦は槍の使い手、四回戦は、一撃ゴリ押し剣士だった。
それでも、なんとか勝てた。喜ぶ余裕もない。
巻き戻しがなければ、俺では死ぬレベル。最初から、負かす前提の組み合わせだ。他のトーナメントなら、強い人がいても二人程度のはずだ。
イエリスは褒めてはくれるが、早く終わってほしいというオーラが勝つたびに強くなっている気がする。
明らかに体が限界を迎えていた。
指先に、もう力が入らない。
それでも――
「次は決勝か......どんな相手でも勝ってやる。」
「次は決勝......セデールには勝ちたいな......」
そう言ったのはあの女剣士だった。




