第十六話 イエリスと修行
今はイエリスと修行中だ。
攻撃して終わりじゃない。
次の行動まで含めて、一つの動きをする練習だ。
「どんな攻撃されても避けるから、何度も当てに来て」
イエリスが挑発してくる。そんなやつだったか?
挑発されようがされまいが、当てられないことには変わらない。
いや、やる前から「当たらない」と決めつけるのは良くないな。
「よし、やるぞ」
まずは、イエリスの位置を把握しながら動く。
近づく前に、剣を振る準備をする。
そして——攻撃。
問題は、この後だ。
避けられたら次の行動にすぐ移す。
当たったら、そのまま追撃。
——避けられた。
だが今は違う、次がある。
そう思った瞬間、そのままコケてしまった。
さっきからずっとこうだ。
頭ではわかっているのに、行動に移せない。
......どうしてだろう。
「頭で動こうとしてる」
イエリスはそう言った。
頭で動こうとしている?
......頭ではなく、体を先に動かせということか。
俺はもう一度、イエリスにお願いした。
イエリスの位置を把握しながら動く。
近づく前に、剣を振る準備をする。
そして——攻撃。
これを、頭で考える前に体を動かす。
さっきよりは良さそうだ。
どうせ避けられるだろうと思っていたが、攻撃が当たった。
喜んでそのままでいると、イエリスが攻撃してきた。
「攻撃するなんて聞いてないよ」
「実践で攻撃当てて、動かずいたら死ぬよ」
確かにそうだ。
攻撃を当てても、そのまま続けるようにしよう。
このままなら剣技杯までに掴めそうだ。
修行よりも、まずは町を目指した方が良さそうだな。
歩きながらでも、考えることはできる。




