その四十二
千八百九十二
人は懸命に生きる人間の生活に触れると、生きる力を貰うのです。
頂戴と出した掌に『では』とて相手がくれるのではありません。また教えてくれと腰を低うし礼を尽くして、その結果合格して何かを伝達してもらうのではありません。枯草に火が燃え移る様に、相手も自分も何もしないのに、勝手に相手の火が自分に燃え移るのです。
千八百九十三
都会の中の古い町並、裏通り、一寸どう考えても通行人が行こうとは思わない場所に『潜り込む』のが私は好きです。あまり褒めた話ではないのですが、時々昭和三十年代そのままという光景があります。早くその場から逃げた方が良いのです。見てはならないものを見る前に。が、どうにもそういう事に興味がある訳です。この気持ちは何処から来るものでしょうか。単なる『怖いもの見たさ』でしょうか。だとしたら、まだ笑って済ませる話なのですが。
しかし私は、実は『この気持ちは何処から来るもの』なのか、知っている様に思うのです。それを言葉に表す事は出来ないのですが、それでも知っている様に思うのです。そしてそれが、自分のかなり深い所から来ている欲求である事を感じるので、どうにも自ら制止出来ない事だと感じるのです。明白に他人に迷惑を掛ける事であればやめなければなりませんが、そういう事をしている時、私は自分の中の忘れてはならないものが眼前に幽霊の様に浮かんで来る気がするのです。幽霊でも可い、それを見たいのです。
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