その三十四
千五百九十七
多くを望まないとは、何と麗しい態度、姿勢でしょうか。節制の美徳という言葉の中に収めて仕舞いたくありません。自分が生きて行くに当たって必要なものを限るのです。それを際限無く広げない。
しかし何故それが出来るのでしょうか。何故、多くを望まずに居られるのでしょうか。それは、自分の生きる事の核心を、別にちゃんと掴んでいるからなのです。生きるとは斯ういう事だという正にそれを、もうちゃんともっているからなのです。
千五百九十八
私は経験が無いですが、金融関係の仕事では人間の汚さや浅ましさ、如何に人間の心というものが信用出来ないものかという事を、徹底的に思い知らされるものと想像します。その職種だけでなく、警察や軍隊、それに若しかしたら医者という仕事も。要するに、命に関わる、真剣勝負のシーンをもつ仕事というのは皆そうなのでしょうね。そういうところを嫌という程見て、そして信じられるのは自分自身だけという価値観になって行くのでしょう。
誰か人を信じるという事は、これらの大波を受けてなお変わらないものでなければなりません。そうでないと、それは信じている事にならないからです。温室の中だけで育つ何ものか。それはその真価への信頼を徹底的に奪います。自分の大切に想う人に、自分の生み出す事の出来る最大限良いものを捧げたい。そう願うならば、覚悟しなければなりません。それを本気で願うという事は、恐らく他の如何なる道を行くのに勝って熾烈な困難が待ち受けているでしょうから。信じるならば、最初からこれを承知しなければなりません。
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