その二十四
千三百十四
何かが自分の心の奥に届く時、十年、いや三十年という長い時間と雖も、一瞬に吹き飛び、消えてなくなるのです。私は、斯ういう時に茫然として歴史ごと自分を失って仕舞わない様にしたいのです。
その時に空白になって仕舞ったなら、その空白は何をもってしても埋める事は出来ません。人は、斯ういう時を境にして、決定的に老いた相になるものだと思うのです。
千三百十五
聡くても、利に聡ければそれは違う。賢くても、保身に賢ければそれは違う。夢を抱く事が出来ても、自分の富貴栄達の夢を抱くのであればそれは違う。愛しても、既に自分を愛してくれている人を愛するのであればそれは違う。そう、優しくても、先に自分に優しくしてくれた人に優しくするのであればそれは違う。
斯んな風に、自分が本当に求めるものを言葉に書き出す。見えて来るのは何でしょうか。分かりませんが、詰まらないものでは絶対にありません。
千三百十六
冬の寒々しい空、甘える事を許さない冷たい風は、自分が本当に自分独りだと思うと、もっと冷たく感じます。しかし自分の裡に自分の大切な人が生きている事、今も共に生きているのだと思うと、風は冷たいままに立ち向かおうという気持ちが湧いて来て、踏み出す脚に力が入ります。北風に吹かれながら、ただ吹かれているだけではないぞという気持ちになります。
そういう人を、自分の裡に作るのです。言い換えれば、そういう人を自分の裡に得られる様に生活するのです。そういう目標に向かって生きる時、今疲れている人でも、新しく元気が生まれて来るのです。抱く理想とは、本当に大事です。
千三百十七
何度も何度も振り返り、掌に握り直し、少し見えないと小さな子供の様に不安に思い、馬鹿の様にいつでもその事を想っている。他の人が楽しそうに話す多くの事に興味がもてず、気が付くとそれを身近に感じている。
本当に失いたくないと思うのならば、それ位でちょうど良いのだと思います。
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