真相
エルフィナが混乱して固まっていると…
ニグラ(パァン!と大きく手を叩く)
「はいっ! では別の客間に行きましょう〜! ルイフェル様達も呼んでますんで〜」
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エルフィナ(びくっとしながら)
「は、はい……」
(心の声)「あのカーテンの奥は一体なんだったの? なんで私だけ先にこの部屋に? 謎だらけですわ……」
(部屋を出る途中、メネシスが小さくつぶやく)
メネシス「ふー……可愛い〜」
(すぐ横でニグラが小声で注意)
ニグラ「もうーやめてください。本人とグッズを比べて似てるか確認したいなんて……」
メネシス(小声で即答)
「ちょー重要。やめない」
(エルフィナ、背後でそんなやり取りがあったことなど知らず、複雑な表情で廊下を歩く)
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客間
そこにはアーシア達がいた。
「エルフィナ様!」と一同が声を上げ、みなで喜ぶ。
よかったです、心配しましたよ——各々がエルフィナを心配していた。
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エルフィナ(イタズラっぽく)
「カクとスケったら〜食べ物に集中して〜もーお! 護衛してくださいね」
ティナ=カク
「すいません。何故か、動けなくて食べてました」
メイ=スケ
「私もです〜」
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ニグラ
「あーすいません。お二人もアーシア様達も、ちょっとした精神系魔法かけさせていただいてたのです」
ルイフェル
「やっぱりか? かなり高度でアーシアを守るので、いっぱいいっぱいだった」
ニグラ
「ふふ、さすがルイフェル様。わかってらっしゃたみたいですね」
ルイフェル(睨みつけ)
「それで、われわれを呼んだ件を話せ」
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ニグラ
「話が脱線しましたね。それでは、改めてご紹介します……こちらが今の五大悪魔の一人、メネシス様」
先ほどまでの空気から一転、一同の声色も表情も真剣になる。
その視線の先には——
(黒髪ロング、艶のあるストレートヘアの美少女。その赤い瞳は真っ直ぐに自分達を見据えている。黒基調のゴスロリ服はレースとフリル多めで、白く透き通る肌に映えて見えた。)
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ルイフェル
「それで! 何がしたい?」
ニグラ
「順を追ってお話しするので、構えないでください。私達は敵対心はありません」
(アーシアが、ルイフェルを制止する)
アーシア「ルイフェル様、ここは話を聞きましょう」
ルイフェル(頷く)
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ニグラ
「私がメネシス様に代わりお伝えします。
悪魔界では国は五つに分かれ、五大悪魔達がそれぞれ当地しておりますが——互いに争いが絶えません。
他の者たちには平和の思想はなく、ただ暴れ、奪い、壊すだけ。
長き戦で民も兵も疲弊し、このままでは互いに滅ぶだけだ」
(間を開け、メネシスを見るニグラ)
「そんな時その争いをやめさせるために立ち上がったのが、どん底から這い上がった悪魔!
それが、高貴なお方——メネシス様です!!!」
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エルフィナ(手を上げて答える)
「それで、争いをやめさせるために、頂点に立ち秩序を築きたいとおっしゃるんですね?」
ニグラ(両手を広げてにこやかに)
「その通りです、エルフィナ様」
(メネシスが、少しほほを赤くしてエルフィナを見る)
メイ=スケ(ポツリと)
「なんか、嬉しそう」
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ニグラ(話を続ける)
「メネシス様は五大悪魔の中でも異端であり、戦に疲れた多くの者にとって“希望”そのものです。私も含めて」
メネシス(静かにつぶやく)
「私は勝ち残るためではなく、生き残らせるために戦う」
一同はメネシスの本気の目を見て——嘘、偽りではないと、わかった気がした。
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ニグラ
「私達はまだまだ弱小であり、賛同する者も少ない。そこで、同盟の提案です。
単刀直入にルイフェル様方と同盟を組みたい」
(拳を握りしめ)
「力と知恵を合わせれば、必ずこの腐敗を終わらせられる。よろしくお願いする。メネシス様に力を貸してください」
(深々と頭を下げるニグラ)
(メネシスはそれを見て少し涙を浮かべる)
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しばらく考え込むアーシア達……
それを見たニグラが「今すぐお返事をいただくのも」と言いかけたときに——
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先んじて口を開いたのはエルフィナだった。
「同盟を結びましょう!」
ルイフェル(困惑した顔で)
「エルフィナ! こいつらが言ってることは本気かわからないぞ? うそかもしれない」
エルフィナ(凛として)
「そのときはわたくしが責任をとります」
ルイフェル(さらに言おうとして、アーシアに首を横に振られて止められる)
アーシア
「わたしもエルフィナ様を信じて信じます」
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(ニグラとメネシス、顔をお互い見合わせて、少し安堵した表情を見せる)
これからのことを皆で決めることにした。
——この決断が後によかったかは、まだわからない。
つづく
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