パーティー
エルフィナ達は、ニグラがどう連絡してくるのかを待っていた。
そんなある日――。
王宮からの手紙が届く。
「トライヤ復興パーティー」がバード公爵家主催で開かれるとのこと。招待されたのは、第五王女エルフィナと聖女アーシアだった。
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(馬車の中)
エルフィナ(少しムッとした様子で愚痴る)
「こんなことしてられないんですけども……これも王室の勤めですから。それにトライヤで有名なバード公爵様主催ですから、行かないわけにはいかなくて〜。……アーシア様はよかったんですの?」
アーシア(苦笑い)
「私も勤めですから、聖女の。神殿からも催促がありまして」
ルイフェル、ティナ=カク、メイ=スケも護衛として同行することに。
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(パーティー会場)
エルフィナは飲み物を持ちながら立っていた。そこに、ヒゲが立派で煌びやかな服を着たバード公爵と、美しいドレス姿のバード夫人が近づいてくる。
バード公爵「第五王女エルフィナ様、こんにちは。お久しぶりです。バードでございます」
バード夫人「こんにちは、バードの妻でございます」
エルフィナ「こんにちは。わざわざご挨拶ありがとうございます」
バード公爵「どうですか? ゆっくりお話ししませんか?」
エルフィナ「はぁ……」(気のない返事)
すると――バード夫人が耳元で囁く。
バード夫人「ニグラって、ご存知ですか?」
エルフィナ(ハッとして、夫人の顔を見つめる)
バード公爵「行きますか? どうされますか?」
(ルイフェル様達に言うべき?)エルフィナは視線を送るが、ちょうどアーシアは神官達に囲まれて話し込み、ルイフェルは護衛中。ティナ=カクはたこ焼きに夢中、メイ=スケもお菓子に夢中。
(まるでこのときを狙っていたようだ……)
エルフィナ(心の声)
「あぁ、いろいろ考えてしまいますけど……」
そして、決断する。
エルフィナ「はい、ぜひお話に行きますわ!」
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(屋敷内・長い廊下)
エルフィナの前を歩いていたバード公爵夫妻が、突然――。
ドシャッと音を立て倒れた
エルフィナ「え?」
(背後から声がする)
ニグラ(少しニヤつきながら)
「聞いてましたよ〜、あなたの誘い〜」
エルフィナ「バード公爵達に……何を?」(キッと睨む)
ニグラ「ははっ、そいつらは人形で、私が動かしてたんですよ。糸でぇ。よーく見てください」
エルフィナ(驚いた表情で小声)
「本当だわ……人にしか見えなかった……」
ニグラ(自慢げに)
「この公爵家は、私の配下の蜘蛛達と私で、人形使用人からメイドまで全部動かしてますよ〜」
ニグラ「さぁー、エルフィナ様。この部屋でお待ちください」
「……私の主人に会ってもらいます」
エルフィナ(額に汗がにじむ)
「あなたの主人……?」
(廊下の奥から、かすかな足音)
ツカ……ツカ……ツカ……
―つづく―
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