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Ai ソリ

(エルフィナの寝室前、廊下)


メイ=スケ「ミャーリちゃんから宅配来たよ〜エルフィナ様〜」


メイ=スケ

「な、なんですか?これ?」


(よそよそしい笑みを浮かべ)

エルフィナ「な、なんでもないですわ。ふふふ……」

(そのまま寝室に戻る)


メイ=スケ(じっと見つめ)「怪しい……」


ティナ=カク「怪しいって……自分の仕える姫に言うことか? 爆破報告あったときの、お前の取り乱しようすごかったなー」


ティナ=カク(真似して)「エルフィナ様〜! エルフィナ様〜! 死んだら嫌だー!!」

(さらに)「しまいには“エルフィナ様に何かあれば私も死ぬ!”って首吊ろうとするし」


メイ=スケ(ムッとして)「……エルフィナ様には言ったらダメだからなぁ!」


ティナ=カク(呆れ顔)「はいはい、わかってるよ」



(エルフィナの寝室)


(豪華な金と白の装飾箱を開ける)

エルフィナ「……これが……魔道具の、スマホ……!」


(電源を入れると、画面が光る)


「Aiソリです。あなたの知的で百合な日常をサポートします」


エルフィナ(絶句)「……微妙に恥ずかしい文言が表示されましたわね……」



(数分後、ベッドに腰掛けてスマホを手にする)

エルフィナ(ぽつり)「……試しに、聞いてみましょうか。“アーシア様に……好かれるには?”……っと」


ソリ「検索中……見つかりました。おすすめのアプローチは以下の通りです!」


「① おやすみのハグをお願いする(成功率:32%)

② 毎朝アーシア様の枕元で目覚まし役になる(好感度上昇:小)

③ 靴磨き係を自任する(尊敬度+8)」


エルフィナ(赤面)「……これはもはや“百合ゲーの攻略サイト”ですわ!! これで好感度MAXになったら──」

(吹き出しながら笑う)


(ドアが少し開き、スケがこっそり覗いている)

メイ=スケ「エルフィナ様〜頭が……」


ティナ=カク(怒って)「おい! スケ、見るなー!」


メイ=スケ(泣き顔で)「カク〜! エルフィナ様〜頭が〜! 頭イカれたみたい〜! 打ちどころ悪かったのかも〜!」


ティナ=カク「えー? 何言ってるんだ? おまえこそ変だぞ」



(エルフィナ、スマホを見ながら思案)

エルフィナ(心の声)「……この好感度ですが、外に出て宿まで行ってアーシア様に会わないとダメですわね〜……カクとスケに止められそうですけど……」

(ぱっと顔を上げ)「そうだ! こんな時こそ……ソリさんに相談です!」


ソリ「検索中……見つかりました。おすすめの外出方法は以下の通りです!」

① ベランダからロープで降りる(危険度:高)

② スケ様に“アーシア様が倒れた”と偽情報を流す(倫理度:低)

③ カク様の目をタコ焼きで釣る(成功率:78%)


エルフィナ(真顔)「……③が現実的ですわね」



(寝室のドアを開けると、両脇に護衛の二人が立っている)


ティナ=カク「どうされました? エルフィナ様」


エルフィナ(お腹を抱えて)「実はお腹が空いて……屋台が窓から見えたものですから、行こうかと」


ティナ=カク「だめですよ、安静にしないと」


エルフィナ「……たこ焼きですよ。ティナ=カクも行きましょ?」


ティナ=カク「えー……たこ焼き……仕方がないですね、行きましょう」


メイ=スケ「おいおい、たこ焼きに目がないんだから〜ダメだぞー」

(珍しく真面目に言う)


エルフィナ(予想外の反応に戸惑い)「……メイ=スケも一緒に行きましょう、3人で! ねぇ?」


メイ=スケ(肩をすくめ)「仕方がないですね、りょーかい」



(屋台に着いた3人)


エルフィナ(小声で)「……とりあえず外には出れましたわね」

(スマホをちらり)「お腹満腹で機嫌がいい二人に泣き真似……成功率70%……いけますわ、これは」


(屋台におでんもあり、メイ=スケが懐かしそうに言う)

メイ=スケ「この屋台のおでん、エルフィナ様覚えてますか?」


エルフィナ(微笑み)「二人の騎士見習いのとき、よく来ましたね……おでんを食べに」


ティナ=カク「私は成績優秀で、お前は落ちこぼれでよく泣いてたから、エルフィナ様が励ます意味でよくおごってもらったなー」


メイ=スケ(恥ずかしそうに)「うるへー」


エルフィナ「ふふ……そんなこともありましたね」


ティナ=カク「こいつねー、いつも憎まれ口叩くくせに、エルフィナ様に感謝してるんですよ」

「エルフィナ様におごってもらって励ましてもらったことに感銘を受けて、護衛騎士に志願して合格したんですよ〜ははは」


メイ=スケ「はははって? あっ? こいつ酒飲んでます! 酒にも目がなかったよ、こいつ〜! それでベラベラとぉー!」


(エルフィナ、悪い気がどんどんしてきて)

エルフィナ「……ごめんなさい」


メイ=スケ「どしたんですか? スマホですか?」


エルフィナ(驚き)「え? どうして?」


(メイ=スケ、いつの間にかエルフィナのスマホを手にして、放り投げる)

メイ=スケ「正体あらわしたらどう?」


(屋根の上にルイフェル、角の陰に拳法使いのミャーリ母が待機)


(スマホが勝手に動き出し、フード姿の者へと変化、そのまま暗闇に逃げ込む)


ルイフェル「早い……ひめな、感知!」

ひめな「感知した。あっち」


ルイフェル「我は追う! みんなはエルフィナを護衛してくれ」


メイ=スケ「やっぱ怪しかった」


エルフィナ「どうしてわかったの?」


メイ=スケ「簡単ですよ。敵は近いうちにまたエルフィナ様を亡き者にしようと企でる……そこでルイフェル様達と連携してました」

「配達が来たときにこれはと思って連絡して、ミャーリさんに“プレゼントかどうか”を確認しました」


(メイ=スケがスマホを見せる)

エルフィナ「スマホ、あったの?」


メイ=スケ「はい、連絡用に用意してもらってたんです。爆破事件後に……エルフィナ様をあんな目に合わせたやつ、許さないです」

(珍しく拳を握り、怒りを露わにする)


エルフィナ「そうだったんですね……ごめんなさい、あなたたちを騙すところでした」


メイ=スケ「会いたいのはわかるので、アーシア様に全部言っときました〜」


エルフィナ「え〜!?」


(後ろから声)

アーシア「エルフィナ様〜、“ハグイベント成功率”とか言ってました?」


エルフィナ(即座に)「い、いえ! これはその〜騙されましたの……!!」


アーシア(じと目)「……なるほど。では毎朝、私の部屋で“枕元おはよう”してくださいね?」


エルフィナ(真っ赤)「ッ……喜んで!!(あれ!? 結果オーライ!?)」


アーシア(くすくす笑い)「騙されちゃダメですよー」


エルフィナ(半泣き)「そんなぁ〜……メイ=スケ〜!」


メイ=スケ(にやり)「自業自得〜♡」


──つづく──

【外部サイトにも掲載中!】


イラストはこちら(Pixiv)


https://www.pixiv.net/artworks/132898854


アルファポリスにて画像付きで作品を公開しています。

ご興味ある方はぜひこちらもどうぞ!


▼アルファポリス版はこちら

https://www.alphapolis.co.jp/novel/731651129/267980191

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