表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/148

奴隷オークション潜入作戦

アーシアたちの行方を案じ、偵察のため部隊を残して先行していたテイトとサスケは、建物の角を曲がったところで、エルフィナ・ルイフェル・ティナ=カク・メイ=スケと鉢合わせになる。


「ちょうどいいところで合流できましたわね!」

エルフィナが嬉しそうに声を上げる。


テイトはすぐに状況を報告。

「アーシア様とミャーリが見つかりません。他の捕まっていた人々は檻に……オークション会場が本命のようです」


「よし、奴隷オークションに潜入するぞ」

ルイフェルが真剣な眼差しを向ける。


アーシアたちや他の捕らえられた人々に被害を出さないため、一行は2手に分かれる作戦を立てる。



エルフィナは仮面をつけ、金持ちの貴族令嬢になりきり、

ルイフェルとティナ=カクは執事役として付き従う。

裏手からスケ・テイト・サスケが救出組として潜入する。


「バレないのか、これ……?」とルイフェルが心配するが、

「大丈夫ですわ。たくさんの貴族がいますから。それに――これ!」

エルフィナは、ルイフェルとカクが持たされた2つの大きなカバンを指さす。中には金貨の山。


「これは…まさか…」

「貴族の馬車や奴隷売買人から”拝借”した資金ですの」


「……大胆だな」ルイフェルが呆れる。


「客の数から見て、これは大規模です。トライヤで暗躍する闇組織を、一網打尽にできるかもですわぁ!」

言いながら、エルフィナは例によってキメポーズ。


(……それやめろぉ)ルイフェルが心の中で呟く。


「いつ見ても美しいポーズです」ティナ=カクが小さく拍手。

「ふふ、たくさん練習しましたもの」エルフィナが誇らしげに答える。


(練習すんのかよ……)と再び心の中でツッコミを入れるルイフェル。



会場前、ドアの前では男がチケットの確認をしていた。


「まずいぞ…」とルイフェルが呟くが、

エルフィナは札束を差し出す。


「これがチケットですわぁ。忘れてしまって…」

男はあっさりと金を受け取り、彼らを通す。


「所詮は金。悲しいですが、これが現実ですわね……」エルフィナが静かに呟いた。



「つきましたわ。ここに座りましょう」


エルフィナたちは貴族客として観覧席に座り、次々と奴隷たちを高額で落札していく。

その都度、ティナ=カクが彼らを裏口から部隊へと誘導。


一方、テイトは他の捕らわれた人々の保護を終え、部隊とともに会場へ向かう。

「サスケ、スケ。先に会場へ向かってくれ。胸騒ぎがする」



オークションが進み、司会の男が叫ぶ。


「さあ、次は目玉商品だあっ!!」


鎖につながれたアーシアとミャーリが舞台に引き出される。


「アーシアさ――」と叫びかけたエルフィナだったが、口を押さえて耐える。


「……よし、高額を叫びますわ!」そう言って立ち上がろうとしたその瞬間――


隣にいたルイフェルの体が震え出す。怒りに満ちた表情で、鬼のような形相に変わっていた。


「ル、ルイフェル様!? 落ち着いてくださいませ!」


その声も届かぬまま、ルイフェルはジャンプしてアーシアとミャーリの前に立つ。


「その子たちは――我の大事な、つれだぁ!!!!!」


場内が揺れるほどの叫びに、空気が一変する。


全身からあふれ出す膨大な魔力。

突如、魔法陣が現れ――


「ノーム!!!」

呼応するように、浮かび上がる魔法陣からノームが現れ、巨大なオオカミの姿となったウルワが飛び出す。


「ヨォー、覚悟しなぁ……」


闇に包まれたオークション会場が、怒りの炎に包まれようとしていた――


つづく


【外部サイトにも掲載中!】


イラストはこちら(Pixiv)


https://www.pixiv.net/artworks/132898854


アルファポリスにて画像付きで作品を公開しています。

ご興味ある方はぜひこちらもどうぞ!


▼アルファポリス版はこちら

https://www.alphapolis.co.jp/novel/731651129/267980191

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ