それぞれの牢、そして風が呼ぶ
アーシア(牢屋でポツリと)
「ルイフェル…無事かしら…」
ミャーリ(明るく)
「大丈夫ですにゃ!ルイフェルは強いですし!」
アーシア(少し間を置いて真剣な表情で)
「ううん。違うの。ルイフェルって、私がいないと日常的なことできないし、世間知らずだし…髪もとけないし、歯も磨けないし、ご飯も食べられないし、口にスプーンで持っていかないと…」
ミャーリ(若干引き気味)
「……ま、まぁまぁですにゃ…」
アーシア(思い出してどんどん真顔)
「…それに、寝るときは子守唄がないと寝られないし、お化けの話すると三日寝られないし、朝は私が起こさないと永遠に寝てるし、あと……迷子になります。室内でも。」
ミャーリ(ドン引き気味に)
「ルイフェル、もはや猫より手がかかるですにゃ……」
アーシア(うっとりしながら)
「でもかわいいんですよ〜!小動物みたいで。歯磨きしてる時にくすぐったがるんですっ♡」
ミャーリ(ジタバタしながら)
「し、知らなくていい情報ですにゃーっ!!」
牢屋の前の扉が、ギィ…と音を立てて開いた。
「おい!おまえら、2人とも出てこい!」
無骨そうな男たちが現れ、がちゃりと鍵を開ける。
アーシアとミャーリが不安そうに顔を見合わせた瞬間――
──場面は変わり、どこか別の牢の中。
「いきますわよ〜っ!」
エルフィナが元気よく手を掲げた。
「耳を塞いでいてくださいませ! 風の精霊よぉーっ!!」
キラッと決めポーズ!
……と思いきや、
「二人を! 呼びーなーさーいっ!!」
なぜか別の角度で、もう一度キメッ!
「せーいっ!!」
さらにもう一発。ポーズ三連発。
ルイフェルは、(……あれ?)と眉をひそめた。
「なぁ、エルフィナ?」
「なんでしょう〜?」ポーズ途中で返事を返すエルフィナ。
「風の精霊魔法って……あの、ポーズとか掛け声、要るのか?」
「要りませんわ〜!」
即答だった。
「え? もう一度聞くけど、要らないのになんでやる?」
「もちろん、かっこいいからですわぁっ!」
エルフィナは胸を張って堂々と答えた。
「正義の味方っぽいじゃないですかっ!……ふふっ♡」
どこか鼻息も荒く、自慢げである。
ルイフェルは、数秒間黙り込んだ。
(……ツッコむべきか、ツッコまざるべきか……)
絶妙に悩んでいると、
――そのとき。
ゆらっ……
2つの人影が、向こうの暗がりから現れた。
「っ……!」
ルイフェルが構える。
つづく。
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