ノームという名の杖
聖女たちが呆然と見守る中──
ルイフェルが指を鳴らす。
空間がねじれ、地面に赤黒い魔法陣が浮かび上がる。
ルイフェル「こっちの世界、勝手がわからないし……じい、目覚めよ!」
ズズズッ──!
魔法陣の中心から現れたのは、イバラに包まれた黒い杖。
柄には棘が絡みつき、触れた者を拒むかのようだ。
その上部には大きな一つ目がはまり、ギョロリと黒い光を宿して動き出す。
杖「……地脈、時空座標……ずれておるぞ。ここは“地球”ではないですのぉ?」
目を細めながら、ゆっくりとアーシアの方へ目を向ける。
アーシアはその異様な光景に思わず声を漏らす。
「……杖、が……喋ってる……しかも浮いてる……」
杖「うん? 可愛い銀髪のお嬢さん。
わたしはノームと言います。
この大悪魔ルイフェル姫様の……まぁ、人間でいう“執事”のような役目をしております者でございます。」
アーシアは状況が呑み込めず、ぽかんと口を開けて立ち尽くしていた。
ノーム「……姫。何か、禍々しいものがこちらに接近しておりますぞ。」
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