ミャーリの朝とウルワの空腹
ミャーリの朝は早くない——。
やっぱり猫、昼まで寝ている。
前にアーシア様に合わせようと起きたが、次の日からダメになった。
アーシア様は8時に起きて日課の沐浴(宿ならシャワー)を浴び、神にお祈りをし、なぜかまた寝ようとしていた。
「何故寝るにゃ?」と聞くと、アーシア様はびっくりして私を見て、「このことは秘密」と2回ぐらい言われた。
何か重要な秘密があるにゃ〜、さすが聖女アーシア様。
そのときルイフェルはまだ寝ている。
ノームじいは朝の散歩がてら上空飛行してるらしい。
そんなこんなで私はまだ夢の中……久々の宿だし、夕方まで寝るつもりにゃ。
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ワフ!
ん? ワフ?
はぁはぁと息が顔にかかる。
ウルワがお腹空いたといいに来た。
「うーん、眠いにゃ〜。あんたのご主人は?……まぁ寝てるよねー。だめ悪魔、私生活だらしなすぎる。」
「そういえばウルワって私たちの戦闘中、何してるの?」
ジェスチャーで答えるウルワ:「自分はお腹空くので戦わない!?」
「えー、主人に似たらダメだよ〜。」
再びジェスチャー:「次からは戦うからご飯を!」
「はぁー仕方ないなー。お布団が恋しい……まずは食材集めからだね。」
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草むらの奥から、視線を感じる──。
ミャーリ「……魔物じゃないといいけど……にゃにゃにゃにゃにゃ〜〜!!?」
——声をあげて飛びのいたミャーリ。だが、草の中から飛び出してきたのは——
ウルワ「ワフッ!」
ミャーリ「あんたかにゃ〜〜〜!! 心臓止まるかと思ったにゃ!」
ぺたんと地面に座り込み、ため息をつく。
ウルワはそんなミャーリの手をちょいちょいと引っ張る。
「……わかったにゃ。お腹空いたんだね。しょうがないにゃー」
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ミャーリは立ち上がると、ふと見上げた空に向かって軽く伸びをする。
「ふにゃ〜……本当はもうちょっと寝てたいけど……」
そして、草むらの奥へと進みながら食材を探し始めた。
「食材集めっていっても、魔物に遭遇したらイヤだにゃ……。さっきの視線も気になるし……」
ウルワ「ワフ?」
「ま、気のせいかにゃ。……にゃっ!? ちょ、やっぱり気のせいじゃなかったかも!」
——草むらの奥から、何かがガサリと動いた。
ミャーリ「ウルワ! 準備はいい!? 今度こそマジでヤバいかもにゃ!」
——続く




