影より来たる者たち
「にゃにゃにゃ!? わ、私も戦うのにゃ!?」
突然の展開に、ミャーリは目を丸くしてもう一度聞いた。
「当然だろ? 仲間だろうが。」
ルイフェルがいつもの調子でニッと笑い、ミャーリの頭をぽんと叩いた。
その瞬間──
バリバリバリッ!
空間が引き裂かれるような音とともに、空に黒くゆがんだ穴が開いた。紫の稲妻が周囲を走り、そこから冷たい風が吹きつける。
「これは……異界の裂け目ですな」
ノームの声が静かに響いた。
「“影のクルド”……来ましたな」
「影の……クルド?」
アーシアが震えた声でノームを見る。
「えぇ。ミャーリ殿と同じ血を引く者たち。しかし、あれは捨てられ、闇に堕ちた一族ですじゃ。力のみを追い求め、聖性を忘れた“影”の側面……」
ミャーリはピクリと反応した。「……知らないにゃ、そんなの……」
ズゥン──
ゲートから現れたのは、漆黒のローブに身を包み、猫耳を持つ者。
瞳は血のように赤く、ミャーリにそっくりの顔立ちだが、冷酷な笑みを浮かべている。
「……見つけた。“光”のクルド。おまえは不要だ。消えてもらう。」
ミャーリが震える。「な、にゃんで私を……」
「その力。希望。それが我らの障害となる。取り除く。以上。」
ルイフェルが前に出た。「そうはさせないよ。ちびは俺の仲間だ。殺させねぇ」
ノーム「ふむ……これは、一筋縄ではいきませんな。姫、アーシア殿、お気をつけを」
アーシアは震えながらも杖を構えた。「ミャーリさんは、私が守ります!」
「……にゃ、にゃー!なんか…カッコいいにゃ!」
その瞬間、敵が動いた。
「行きますぞ!」
ノームの号令と共に、戦いの幕が上がった。




