勇者のはずが、悪魔の娘が来た
――異世界ラメルディア、王都ルイザ。
その日、王都の神殿では“救世主召喚”の儀が行われていた。
「聖女アーシア・レノバンよ。精霊と天に誓い、世界を救う勇者を召喚せよ――」
荘厳な詠唱の中、アーシアは静かに目を閉じ、祈りを捧げる。
その銀髪がふわりと揺れ、魔力が空間を歪ませる。
(来て、勇者さま……)
だが――
バチィッ!!
「な、何だこれは……っ!?」
神殿が揺れ、召喚陣が赤く染まり、禍々しい光が漏れ出した。
そして、空間の裂け目から──
黒い影が現れた。
「……ん。召喚? マジで……あー、めんどくさ」
金の瞳に、黒紫の長髪。
小柄でエルフの子供のような容姿。だがその存在感は──“人間”ではなかった。
「魔物だ!いや、違う……こ、これは……悪魔!?」
「勇者じゃ……ない、ですよね?」
そう尋ねたアーシアに、少女はあっさり答えた。
「我の名は、ルイフェル・サタナリア。地球出身、悪魔界の王女。ついでにサタンとルシファーの娘。よろしくね?」
──こうして、勇者の代わりに“最強の悪魔”が異世界に召喚された。
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