村の日々
崖から見える風景は
海の寄せては返す波の音でいっぱいになる
人の気配はほとんどないに等しい
それはまたもの寂しい感じもしている
「この田舎も寂れていくんだろうな。老人ばかりの村になっていくと思うよ。」
「佐藤が村に残ればいいじゃん。私は村を出ていくけどさ。」
「村に居ても良いことないよ。人との出会いも少ないし将来が手に取るように見えてしまう。もっと新しい風が吹いていないとさ。生きていても楽しくないじゃん。真衣もいないんだしさ。」
「私についてくるつもり?」
真衣にそこまで言われて俺は言葉につまった。
ついていけるならついていきたい。