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初仕事

私は目で、詳しく話すように訴える。風川がそれに答えるように話し始める。「まず始めに、これから言うことは一切口外にしないと誓ってもらう。誓わなければ、今までの契約は全て白紙に戻す。」少し、脅しをするようにトーンを下げて言う。


「私、月夜みかはこれから聞く話は一切口外にしないことを誓います。」私は、小さな声で密やかに誓った。防犯カメラで、監視されている可能性も捨て難い。風川達が、声を張って喋っているので、この可能性はおそらく低いと思うが、やはり怖い。


風川は、そんな私を横目に話し始めた。「今、我が国は経済発展を急ぎ過ぎ、深刻な大気汚染に悩まされている事を月夜は知っているか?」私は、無言のまま首を縦に振る。


ここ最近は環境改善に力を入れ始めたが、それまでは工業化を急いでいた。もともと、周りの連合諸国よりも経済が貧しかったのもある。特に、資源の乏しい我が国は加工産業によって栄えている。


私の意志を見た風川は続ける。「空気を循環させるには植物が必要だった。だが、木の八割を切ってしまっていた。植物は育ちが遅く、その間にも大気汚染は進んでいる。そこで、国は人間の植物化の実験を始めた。それから…」


風川の話を要約すとこうだ。詳細はまだはっきりと分かっていないが、実験体にされた人達の共通点はただ1つだ。この街の住民であり、働いていない者。ただそれだけらしい。


他の情報はまだ、分かっていなく、今は情報が必要らしい。私が、1人で考え込んでいたら、風川が芝の方を見て手を合わせた。


そして、こちらを見ずに話し続ける。「この人達は、政府の身勝手な実験で犠牲になった。その人の為にも俺達は戦わないと行けない。」風川は、私でも、かおるでもない自分に言い聞かせるように、改めて決心するように言った。


私は動く芝の正体がなんとなく分かり、この事を頭で整理する。ここでまた疑間が生まれた。風川の言う共通点が正しかったらなぜ德川は殺されたのだろうか。


ここで私は、ハッとした。なぜ、私は徳川が政府に殺された前提で話していたのだろうか。確かに、突然死はおかしいが風川、ましてやクローバーの話を鵜呑みにするのは危険だ。


自分の思考に鳥肌がたった。他人を信頼し過ぎていることに。悪い人間もこの世には多いのだから…


私が、考えていると、風川が祈りをやめて、私の方に向いた。そして、真面目な顔で私にこう言った。


「月夜に任せたい仕事がある。この仕事は、君の人間関係に深く影響している。それでも良いのなら、この仕事を受けて欲しい。」風川は、懇願するように言う。私は、少しの間を空けて、首を縦に振る。


その様子を見た、風川は話し始める。

「君の素性を少し調べさせてもらった。君と島田は所謂、幼馴染なんだね。その、島田のことなんだ。」私は、島田の名前を聞いて、唾を飲む。最近の島田には、不審な点が多い。これで、本当の彼に近づけるのだろうか。




少なくて、すいません

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