最初で最後の神の顏
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
独占欲は、強くあって欲しいと思います。
我を通すのが、生粋の神様なので。
美男美女が大好きです。美男美女に可愛がられて命を落とすなら、これ以上は望みません。でも……私の性質を鑑みるに、物凄く失礼な事でもあった。
私を気に入って下さった神様は長いサラサラした白髪。浅瀬の目。白魚の様な肌が特徴の美人だった。押し掛け女房宜しく家に居座る事になったけれど、世話を焼かせる真似はせず、ただそこに居られる。私の後を着いて周り、気紛れにちょっかいを掛ける。失礼ながら、その様は家で囲われている生き物の様に思えた。
けれども夜には畜生には遠く及ばない事をなさる。私の布団に潜り込んで、ぺたぺたと肌をまさぐる。それだけに留まらず、幾度となく口吸いをして、私の息を切らせたまま眠りに付かせる。
「あの……」
「何? 君が望んだんだ。美男美女に可愛がられて命を落とすなら、これ以上は望まないと。今更撤回は聞かないからね」
言葉の脅しに反し、口角は朗らかに笑っておられる。私も今更願った事に反論はない。だからもんだいはそこではなく……。
掌にグイグイと顔を擦り付けて、退かそうとするのを必死に抵抗しながら口を開く。
「そうではなく。私……貴方様の顏は何度も夢で拝見致しました。何時も夢に現れるのを心待ちにしておりました。けれども……ある時、同じ顏に緋色の髪をした御前が姿を現しになられました。貴方様ではないと……直感致しました。
……顔の見分けも付かないのに、貴方様の寵愛を賜って良いのかと……」
現れるお姿は何時も決まっている。長いサラサラした白髪。浅葱の目。白魚の様な肌の美人。けれども最後に夢に現しになられたのは、緋色の髪をしたお方だった。直感で、貴方様とは全く異なるお方であると感じた。
だから録に顔の見分けも付かないのに、美男美女を求めるのは大変失礼に思えたのだ。誰でも良いのだと、自分に分からせられた気がして。
「ん……んー……これさっさと退けて」
貴方様の顔を覆う私の手の根元、手首を掴むと、グイグイと横にやろうとする。目は爛々と輝いて、今にも私の顔を覆おうとなさっていた。
「神違いする程、私の顔がお気に入りなんだね。だったらなおのこと、他の神には渡せないな」
「え……?」
そういう事が言いたかった訳では無いのだが……。
「だって私の顔以外知らないものね。別に知る必要もないけど」
そう仰って、そのまま布団の上に押し倒された。私の目にしっかりと入るようにご自分の顔を固定なさると、そのまま私の体に触れ回る。
「覚えておいてね。君が見る最初で最後の神の顔だ」
美男美女大好きな癖に、美男美女の顔の見分けが付かないんです。だから偶に間違えます。
それと夢の中に登場なさる神様の顏が全て同じだった事から出来た話。
髪の色は違うんです。でも顏は同じ。
これを少し捻って、自分しか夢の中に出てないし、顔も見せてない。だから他の神様の顔もそうなるのは必然。
という独占欲晒した話。
他の輩には上げないし、顔さえ見せないから。
という話。
私が好きなんですよ。