表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
木蓮荘  作者: 立夏よう
6/42

木蓮屋敷 5

もどってきたのは別の人だった。

中年の、ちょうど母くらいの年齢の女性、きっと使用人のまとめ役のような立場なのだろう。

その人もまたわたしを頭の先から足の先まで無遠慮にながめた。


「なんだいやけに幼いし随分細いね。こんな子を雇ってどうしろっていうのさ」

悪態をつきながら、わたしにあがるように促し、名を問うた。

「大野いとと申します」

わたしはそう答えるのが精一杯だった。


「いと。とりあえずその格好はどうにもならないから着替えなさい。もっとましな着物を持ってくるからね。この屋敷では人手は足りてるんだよ、なんであんたみたいなのを間頃雇ったんだか。まあいい。使えと言われたからにはあんたを一人前の女中に育ててやるから。まずは下女の見習いをするんだよ。言われた通りしていれば悪いことにはならないからね」


この人はいい人だ。たきと名乗ったこの女中頭についてわたしはそう思った。

思おうとしたというほうが正しいのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ