表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/29

二十六章 再会の誓い

 二日後。


「やっぱり、行くのかい?」


 荷物をまとめているところにやってきたのは、ゼルだった。エリスもいる。


「ああ。俺はもっと、色んな料理を知りたいんだ。色んなものを、色んな味を見て、極めたい。店が直って、街が復興するまで……俺は旅に出るよ」

「……戻ってきてくださいね。じゃないと、ウチ……じゃ、なくて、マルグリッドお姉様が悲しむので」

「そのつもりだよ。ここには、俺の家族がいるからな」


 刀と銃を腰に巻きつけ、俺は半壊した店を出る。

 と、そこには荷造りを終えて、背負っているサルトビの姿。


「サルトビさんも行くのか?」

「はい、休暇がもうすぐ終わりそうですので。レン殿、くれぐれもお気をつけを。フウカお嬢様の支えになってください」

「ああ。元気で」


 集合場所は噴水広場だ。噴水は壊れず、新鮮な水を滾々とあふれさせている。

 今度は見慣れた顔。ロッタとその彼女であるレベッカの姿だった。


「……ロッタ君」

「大将! ……オレ、強くなるよ! 大将みたいに、ドラゴンと戦えるようになる!」

「頑張れ、ロッタ君。君ならいけるさ。レベッカちゃんも、ちゃんとロッタ君を支えて。二人一緒にいれば、間違うことは少ないはずだからな」

「はい、師匠! お料理も、頑張ります!」

「帰ってきたら、また教えてあげるよ。んじゃ、元気で」


 噴水広場には、四人の姿があった。

 ミリー、リリー、フウカ、マギー。各々が俺を見つけ、笑みを浮かべる。


「来たな、レン」

「ああ。……ミリー達はどうするんだ?」

「アタシとリリーは、一旦故郷に戻るぜ」

「ここを拠点にしてたから。街として機能しなくなった今、居る理由がないのよ」

「……フウカは?」

「まぁ別の田舎にいって、のんびりするっス」

「マギーは?」

「うちは他の教会に行こうかなー、って思ってますぅ」

「……そっか。バラバラになるのか」

「違うよ、レン」


 ミリーが笑う。


「またこの街が復興したら、集まるんだ。レン、お前はアタシの家族で、『怜悧の剣』の一員だ」

「あれ? 俺も頭数に入ってたんだな」

「おう、入れてやった。……だから、約束だ」


 拳を突き出すミリー。リリーも、フウカも、マギーも、拳を突き出す。

 俺も拳を突き出して、全員の拳が重なった。


「……約束だ。またここに、ガレオンに戻ってくるぞ」

「ああ!」「勿論!」「はいっス!」「はぁい!」


 そして、全員が一斉に踵を返す。

 俺は振り向かなかった。きっと皆もそうだ。

 また会える。根拠のない確信が、俺をそうさせる。

 バイクを取りに戻ると、ヴォルフの姿が。


「行くか、レン。この世界を見に、な。オレは強い敵と戦いてぇ」

「俺は見知らぬ料理を知りたい」

「さて、当分は二人旅だ。メシの確保は?」

「保存食を大量に作っておいたよ」

「さっすが。……んじゃ、行くか」


 俺はバイクに跨る。その後ろに、ヴォルフも乗る。


「さあ、飛ばしていきますか! 行き先は?」

「決めてねぇ! 思うがままに、ぶっ飛ばせ!」

「あいよ!」


 俺はアクセルを全開にして、街を飛び出した。

 ――俺には家族がいる。

 血も繋がってないし、離れているけど。


 でも、見えない絆というものが、あると俺は思う。


 だって、家族と認める人がいるだけで、こんなにも心が温かい。


 俺達の人生という名の旅は、まだ始まったばかり。


 いつかまた、会える。家族と認めた者と。


 それを信じて、俺は進む。


 まだ見ぬ未来へと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ