間章 失敗
「ぐぁああああっ!?」
「ベルモンド!? くそ、手に負えねぇ!」
バスターズ『表裏なき意思』は苦戦を強いられていた。
目的のドラゴンエッグは既に、一人前に上がったばかりのロッタが運んでいった。
しかし、それどころじゃない。
巣穴から、いないはずのドラゴンが帰ってきた。
ドラゴンは騎士隊を三つは投入しなければならないほどの相手。
この『表裏なき意思』は戦闘バスターズではない。雑務や簡単な討伐などをほかより少し安い値段で受けるバスターズ。
各分野に特化したバスターがいるが、ドラゴンと戦って勝てるような、そんな猛者はいない。
一番強いベルモンドさえも、頑強な鱗に、強靭な体躯に、傷一つ付けられない。
挙句に、まだ上空には……もう一匹、いる。
だが、野放しにはできない。
なぜなら……ここが、王都近くの山だからだ。
下手をすれば、怒ったドラゴンが王都にまで飛んでしまう。
それだけは、避けなければ。
ただ、戦力がいない。ロッタ達はもう逃げた後だ。早馬で戻ると言っていた。
しかし、無常にもドラゴンはその巨躯を宙に浮かべた。
「なっ!?」
その場を去る二頭のドラゴン。目指していたのは、ロッタ達の帰った方角――王都、ガレオンだった。




