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十一章 能力表

 フウカにつれられて、ミリー、リリー、マギーと一緒に、漆黒の建造物に入る事になった。

 中で待っていたのは、黒い髪の女の子だった。雰囲気で分かるが、中年くらいかな。外見は女の子なんだけど。


「いらっしゃい。……彼? 何か、えらく不思議な格好をしてるけど」

「はいっス、センリさん。後、あっしら全員、お願いしやす」

「……ふうん。じゃあ……」


 水晶玉を俺の前にかざし、

「水晶玉よ、全てを写しだせ」


 言うと、彼女はインクを白い紙にぶちまけた。

 水晶玉から文字が流れ出し、黒く染まった紙に張り付いていく。


 何だ、これも魔術なのか?


「……わっちは東洋の水晶術者で、個人の能力をそのまま映し出すのが得意なんよ。はい、これがあんたのぶん」


 ずい、と押し出された紙を、一同が覗き込む。


『名前 柳葉蓮

 性別 男

 年齢 二十二

 得意 貫

 経験 五

 腕力 五百

 脚力 二千

 気力 千

 魔力 ゼロ

 総力 三千五百

 職業 盗賊

 特殊 真贋判定眼 偽・完全記憶 心仮面 天賦の才・道具』


「お、足はそこそこじゃん。真贋判定眼? 偽・完全記憶、とか意味わかんないのがいっぱいあるけど。ていうか職業盗賊かよ! 似合わねえ!」

「盗むのが上手なんやろ。例えば、人の料理の腕とか。真贋判定眼は物事の見極めが可能な目がある。偽・完全記憶は完全記憶の劣化物。心仮面は心に被ってる仮面がある。天賦の才はまんまやね、道具使うのが上手いんやろ。ちなみに、得意の貫ってのは先の尖ってるもんの扱いやな。弓とか槍、細剣とかやな。あんたらのも……ほれ」


 インクを一気にぶちまければ、そこに文字が載る。


『名前 ミリアスト

 性別 女

 年齢 十七

 得意 斬

 経験 十四

 腕力 五千

 脚力 五千

 気力 一万

 魔力 ゼロ

 総力 二万

 職業 英雄

 特殊 天賦の才・剣 気力限界突破 不屈』

「……俺の四倍以上、ですか、総力」


 ていうか、十七歳だったんだな、ミリー。

「前計った時は一万五千だったんだが、なんか、気力限界突破ってのが追加されてんな」

「人間が持てる気力が五千、って相場が決まってるんよ。でも、それを突破できる年齢になった。それに値する能力を得た。そういうことやろ」


 次に、リリアスト。


『名前 リリアスト

 性別 女

 年齢 十六

 得意 魔

 経験 十四

 腕力 一

 脚力 一

 気力 ゼロ

 魔力 九千八百

 総力 九千八百二

 職業 魔術師

 特殊 天賦の才・魔 炎精霊の加護 高速詠唱 高速思考』


「この腕力は一、っていうのが最低なのですか?」

「いや、ゼロが最低や。腕がないヤツが該当するんよ」


 なるほど。


「魔力の上限ってどれくらいなんでしょう」

「賢者クラスで五千や。こいつは伝説レベルの化け物なんよ」

「酷い言い草ね」


 続いて、マギー。


『名前 マルグリッド

 性別 女

 年齢 十八

 得意 打・癒

 経験 十八

 腕力 三千五百

 脚力 千

 気力 三千

 魔力 五百

 総力 八千

 職業 シスター

 特殊 天賦の才・拳 癒しの術 復活の術』


「癒しの術は分かるけど、復活?」

「復活のように見えるんですけど、致命傷レベルを治癒できるーってだけで、死んだ人間は生き返らせられんのですよ、レン様ぁ!」


 最後にフウカだ。


『名前 ■■フウカ

 性別 女

 年齢 十七

 得意 斬・風

 経験 四十一

 腕力 千

 脚力 二千五百

 気力 四千五百

 魔力 九百

 総力 八千九百

 職業 忍

 特殊 天賦の才・忍 忍術 チャクラ開放』


「フウカの名前の前って、いっつも塗りつぶされてるよな」

「本人が強く意識すれば、隠せるんよ。ま、それにしても……相変わらず規格外やな、あんたら」

「ほっとけ」

「……みなさん、凄いんですね」

「何言ってんだ、レン。お前もその領域だぜ」

「そうやで。そもそも、気力開放させてる時点で常人とは無縁なんよ? 人の限界を突破するしな」


 自分がそんな超常な人間になっていたのは分からない。

 何か、自分がわからなくなる。


「気にせんとですよ、レン様。レン様は、レン様ですやろ? どんなにつよーなったってぇ、心根は変わらんもんですよぉ」

「……確かに、そうだ。ありがとうございます、マギー」

「ふふっ」


 満足そうにそう笑う彼女に笑い返す。


「……ほい」


 不意に、センリと呼ばれていた彼女が再びインクをぶちまける。


『柳葉蓮の交友度

 ミリー 七十五

 リリー 八十

 フウカ 八十五

 マギー 八十』


「何や、マルグリッド、仲良さそうに見えたんやけど、それだけかいな」

「これは?」

「どれだけ相手の事を思っとるかが分かるんや。百が限界値な。五十が普通や」

「お、あっしが一番思われてるっスね」

「師匠ですからね」

「おいレン! なんでアタシが一番低いんだよぉ! 嫌いなのかよ!」

「あはは、嫌いなはずないでしょう。可愛い、って思ってますよ?」

「か、か、可愛いとか言うな! 恥を知れ!」


 真っ赤になっている彼女を見て、全員が和んだ。


「和むなー!」

「ホンマ、可愛らしいわぁ。ええやん……レン、やったかいな。ハーレムやん」

「いえ、自分には不相応ですよ」

「何や、あんたカッコええやん。自信ないんやったら、見せたろか? あんたに対しての周囲の評価――」

「わぁああああっ!?」「ちょっ!?」「いっ!?」「あ、あかんのぉ!」

「へぶっ!?」

 俺以外の全員によって拘束されるセンリ。

「わ、わかった! やらへんから、離しぃ!」


 拘束から開放されるものの、全員は再びの行動に備えている。溜息を吐いて、センリはスッと手を伸ばしてきた。


「お会計や。楽しかったから、千ベルドでええよ。ホンマは三千やけど」

「高いだろ。でも、己の能力を知るためにゃ、これくらいしないといけねえんだ」

「御代に見合う価値はあるやろうが。はよ出しぃ」


 各々、千ベルド紙幣を出して、支払いを終えて外に出る。


「不思議な人でしたね」

「いや、レンには負けるっスよ」

「俺? 俺は普通ですよ、普通」

「「「「いや、それはねえ(ないわ)(ないっス)(ないです)」」」」


 いや、極々普通の料理人だと思うんだけど。

 改めて、みんなの凄さを思い知った一日だった。

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