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三姉妹トライアングル  作者: 微糖 燦
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雪姫と同僚達の騒がしい飲み会(2)

「シスコンで悪いか〜!妹大好きで悪いのか〜!」

「おうおう!もっと飲め飲め!」

僕の目の前には完全に出来上がっている2人の女性がいる。

普段の2人はお淑やか天然系の風浦さん、活発ボーイッシュ系の霜月さんと呼ばれるほど、会社の中ではアイドル的な立場にいる(本人達は知らないだろう)のだが、今の2人からはそんなイメージとはかけ離れてしまっている。

(それでもやっぱり風浦さんは可愛いなぁ。)

お酒は最初の一杯しか飲んでいないのだが、周りの雰囲気に酔ってしまったのだろう、僕は自分でも分かるくらいには顔を少し赤らめ、風浦さんの方をボーと見てしまう。

普段から霜月さんにからかわれているが、実際僕は風浦さんに好意を抱いている。

きっかけは一目惚れだった。それから一緒に仕事をしていく中で彼女の人となりを知り、ますます好きになってしまっている。

(まぁ、風浦さんには僕の気持ちは少しも伝わっていないんだけどね。)

僕はなんだかんだ今のこの関係性を気に入っている。風浦さんは一緒にいるだけでもこっちが良い心地になるし、霜月さんとも仲の良い友達といった感じだ。風浦さんと霜月さんもまるで昔からの友達のように仲がいいので、この3人でいるのは楽しいのだ。

「それより聞いてよ!この前私達姉妹の中でちょっとした事件があったんだよ〜。」

「おっ、なになに?喧嘩か何かしたの?」

風浦さんはジョッキをバンッと机に置き、枝豆をツマミながら僕達を見てきた。

「珍しいですね。普段の話から風浦さんのご姉妹はかなり仲が良いと思ってたので、喧嘩するイメージはなかったんですが。」

霜月さんはワクワクしながら続きを促し、僕はサラダを食べながら相槌を返した。

「それがね〜、美月姫ちゃんって同人ゲームを作ってるんだけど、そのゲームの内容が私と花姫ちゃんをモデルにしたエッチなゲームだったんだよ!!」

「!ゲホッゲホ」

僕は思わずむせてしまった。まさか風浦さんの口からエロゲーの話が出てくるなんて…………。

「ぷぷぷ………………、アハハハハ!何それ!?すごい面白いんだけど!」

「しかもそのエッチなゲームを花姫ちゃんのお友達にやらせたみたいでね、花姫ちゃん恥ずかしさのあまり固まっちゃったのよ!」

「エロゲーって…………w、それを友達に見られるって…………w」

………………もう一度言うが、先程からエロゲーを連発してるこの2人は会社ではアイドル的な存在である。

「それでそれで!どうなったの!?」

霜月さんは興味津々で話の続き待っている。

「とりあえず今後は勝手にモデルにしない、そのエロゲーは封印するってことで落ち着いたよ〜。」

僕は一体どんな顔をしてこの会話を聞いていればいいのだろうか。なんとも1人気まずい気持ちになってしまう。

ただ正直、風浦さんがモデルになったというイラストはちょっと見てみたいと思ってしまう。僕も男なのでこの気持ちは分かって欲しい。

「んでんで〜、シスコンの雪姫のことなんだからその後の裏話もあるんでしょw?」

「さっすが柊さん!察しがいいね。………………、実は美月姫ちゃんに内緒でお願いしてそのエロゲー少し見せてもらったの。まぁ、美月姫ちゃんには「雪姫姉のムッツリw」って馬鹿にされたけどw………………ちなみにこれがそのゲームにイラスト。」

「うわぁエッろ!マジでエロいじゃん!」

「でしょでしょ!?すっごくエロ可愛いでしょ!」

…………………………しつこいようだが、このエロいエロいとエッチなイラスト見ながら鼻息を荒らげている2人は会社ではアイドル的な存在なのである。

「ほらほら〜、真白くんも見てみなよ?」

「いや、流石にそれはちょっと…………。」

見たいけど!見たい気持ちはあるけれど!

霜月さんの悪魔的なお誘いを何とか断り、僕は溜息をつく。

それでもなんだかんだで僕はこの雰囲気が好きだ。

「それじゃあ、そろそろいい時間ですしお開きにしませんか?」

時刻はもう21時を回っている。明日は休みとはいえ、帰りのことも考えたら潮時だろう。

「うにゃ〜、飲み足りないけどもう時間かぁ〜。」

「そうだねぇ〜、私も早く花姫ちゃんに会いたいし♡」

2人もまだ酔い潰れてはいない様子で時間を確認し、お店を出る準備を始める。

「じゃあ2人とも一応お水頼んでおいたので呼んでください。」

そう言って僕は2人にお水を渡した。

「「ありがとね〜」」

2人ともお水を受け取るとグイッと一気に飲み干した。まぁ、それで酔いが冷めるわけではないだろうが、少しは楽になれるだろう。

「じゃあ私はお会計済ませてくるね〜。」

そう言って風浦さんは伝票と荷物を持ってレジの方に向かった。

「それより真白くん、さっきのエロ画像見なくて良かったのw?」

帰り支度を始めながら霜月さんはニヤケ顔でそう尋ねたきた。

「正直気にはならないって言えば嘘になりますが、流石にそこまでの勇気は僕にないですよ。」

「ふーん…………。ヘタレ野郎。」

霜月さんは僕の答えに舌を出しながら小突いくる。

「まぁ、でもそれが真白くんだもんね〜。」

そう言って霜月さんは今日1番の笑顔で笑うのだった。



「雪姫今日はごちそうさま〜。」

「風浦さん、ご馳走様です。」

「いえいえ〜。改めてこちらこそ今回はありがとね!」

お会計を済ませて3人でお店を出ると、改めて2人からお礼を言われる。でも今日はお手伝いのお礼が目的なので私の方からもお礼をした。

「2人とも帰りは大丈夫そうですか?」

冬川くんは時計で時間を再度確認しながら、私たちに聞いてくる。

「私はまだ電車あるから大丈夫だよ〜。さっき美月姫ちゃんに連絡して最寄り駅に着いたら迎えに来てくれるって。」

「私はバスがもうないから駅でタクシーでも拾って帰るわぁ。」

「じゃあ駅までは送りますね。」

という事で3人で駅に向かって歩き出す。と言っても駅はここから歩いて10分程なので大した距離ではない。

「そういえば冬川くんって会社の近くに住んでるんだっけ?」

「近くってわけではないですけど歩いて20分ってとこですかね。運動も兼ねて天気のいい日は歩いてるんですよ。まぁ、雨の日とかは車で出勤してますけどねw」

そんなとりとめのない話をしている内に駅が見えてきた。

「じゃあタクシーもちょうど止まってるし、私は帰るね〜。また来週〜。」

そう言って手を振りながら柊さんはタクシー乗り場へと歩いていく。

「じゃあ私も帰るね〜。冬川くん送ってくれてありがとう!」

「いえいえ、気を付けて帰ってくださいね。」

そう言って冬川くんとも別れ私はホームへと向かう。途中でお水を自動販売機で買い、

「早く花姫ちゃんに会いたいなぁ〜♪」

鼻歌を歌いながらいつもより少しテンション高めで帰宅するのであった。

第3話を読んでくださりありがとうございます。

次回は花姫と美月姫が2人でショッピングに行くお話を予定しておりますので、興味がありましたら次回もよろしくお願い致します。


またブックマーク登録や感想を頂けると嬉しいですのでそちらもよろしければお願い致します!

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