第3話 雪姫と同僚達の騒がしい飲み会(1)
「それじゃあ〜、乾杯!」
「「カンパーイ!」」
柊さんの音頭と共に私と冬川くんはジョッキを掲げる。
「この前は2人とも資料作成手伝ってくれてありがとね!」
そう、今日は先日手伝ってくれた2人にお礼をしようと3人で居酒屋に来ている。華金という事もあり、どこのお店も人がいっぱいであったが、何とか近くの居酒屋に入ることができた。
「今日は私が奢りますから遠慮せずに飲んでくださいね♪」
「ご馳走様でーす!」
「別にお礼とか大丈夫ですし、僕も出しますよ」
柊さんは上機嫌にビールを飲み、冬川くんは遠慮してるのか机に自分のお財布を置いて笑いかけてくる。
「良いんですよ冬川くん!ただでさえ冬川くんにはいつもお世話になってるんですから、こういう日くらいはちゃんとお礼をさせてください!」
私は手を振ってお金は大丈夫ですよと表現しながら、冬川くんに答える。
冬川くんはそれでもと言いたげな顔をしていたが、
「そうだぞ真白くん。変に遠慮するのは逆に失礼なんだし、今日はお誘いに甘えてもいいんじゃない?」
「そうですね…………。じゃあ風浦さん、今日はご馳走になります。次にご飯行く時は僕が出しますから(笑)。」
柊さんの言葉に頷き、ビールを飲み始める。
「さりげなく次回のデートの約束を取り付けるなんて…………、真白くんも意外とやるねぇ(ニヤニヤ)。あっ!店員さんビールおかわりください!」
「べ、別にそんなつもりじゃないですよ!またみんなで飲みに行こうってだけです!」
「ハイハイwそん時はご馳走になりまーす!」
柊さんはビールを飲み干しながら冬川くんをからかっている。
柊さんのビールと共にテーブルに次々と料理が運ばれてくる。サラダに枝豆、唐揚げやポテトといった定番の居酒屋料理だ。
「プファー!やっぱり仕事終わりのビールは身体に染みるわぁ!それに熱々の料理もホントにサイコー!」
「もう、柊さんったら発言が完全にオッサンだよw」
「気にしない、気にしないw」
柊さんはハイテンションで次々と料理を食べ始め、ハイペースにビールを飲んでいく。
その様子に笑いながら私と冬川くんもマイペースに食べ進める。
「相変わらず霜月さんは美味しそうに食べますよねw」
ビールを飲みながら冬川くんが私に話しかけてくる。その言葉通りで、柊さんはいつもお酒の場では見てるこっちが楽しくなるような様子で飲み食いをする。
「まぁ、もう少し落ち着いて飲む方がいいと思うけどねw」
と私も冬川に笑いながら答えた。
そんな私達2人の会話を聞いていたのだろうか、
「いやいや、雪姫も妹ちゃんの話してる時は人の事言えないでしょ?」
「え!?」
まさかのカウンターが入る。
「え、いや……、流石に今の柊さんほどじゃないよね?ねぇ、冬川くん?」
「えーと、それは…………、ハハハ(困)。」
嘘でしょ!?私って花姫ちゃんのお弁当食べてる時こんな感じなの!?
「人の振り見て我が振り直せってことよ雪姫。」
「それ、霜月さんが言う台詞でもないんじゃ(困)。」
「うぅー、もう!今日はとことん飲んでやる!店員さんハイボールください!」
地味にショックを受けた私はお酒に逃げる事にした。お父さんからの教えだが、お酒を使って嫌なことから逃げるのは大人の特権らしい。お父さん、私は今日、お父さんの教えを実行します!
「おっ!雪姫今日はいい飲みっぷりだねぇ。私もビールおかわり!真白くんは?」
「あ〜、僕は烏龍茶をください。」
「なんだなんだ?可愛い女の子が2人ともお酒飲むのに野郎のお前は烏龍茶ってか!?」
「すいませんw僕お酒あまり強くないので。…………、このままだと介抱役も必要になりそうですしね(ボソッ)。」
「?冬川くん何か言った?」
「なんでもないですよ〜。」
冬川くんは笑いながら、注文受け取った店員さんに空いたグラスを渡すのであった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
今回は少し短くなりましたが、キリが良かったので続きは次回投稿しようと思います。
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