第2話 風浦さん家の賑やかな食卓(1)
「ただいま〜。」
「おじゃましまーす。」
スーパーでの買い物終え、私は春香を連れ帰宅した。
玄関で靴を脱ぎ、そのまま2人でリビングを経由し、隣接してるキッチンに向かう。
「じゃあ春香はリビングでくつろいでて。私も荷物片付けたら夕飯の準備に入るから。」
「はーい。鞄は花姫の部屋に置いてきて大丈夫?」
「いいよー。勝手に入って問題ないから。」
「おっけー。」
二階の私の部屋に向かう春香を見送りながら、私は買った食材を冷蔵庫にしまい始めた。
花姫の家は二階建ての一軒家で二階の2部屋が花姫と美月姫さんの部屋になっている。
私は何回も花姫の家にお邪魔してるので、慣れた感じで花姫の部屋に向かった。
花姫の部屋に入って鞄を置き、ぐるっと部屋の中を見渡す。整理整頓されてスッキリした空間に、所々可愛らしい人形が置いてあるあたり花姫らしい部屋である。
「それじゃあ下に降りて花姫のお手伝いでもしようかな。」
そう呟き1階のキッチンに向かおうとすると、ちょうど階段の所で美月姫さんとすれ違った。
「あっ、春香ちゃん!いらっしゃい♪」
「美月姫さんこんにちは!お邪魔してま〜す。」
美月姫さんは風呂上がりなのだろう、湯気とシャンプーのいい匂いが美月姫さんを包んでいる。
美月姫さんはTシャツに短パンとラフな格好で、グラマーな体型が凄い色気を出している。
…………、相変わらずめちゃくちゃ胸デカイなこの人。
「花姫様は部屋?」
「いえ、花姫なら先に買ったものを片付けるそうですよ。
……美月姫さんってまだ花姫のことを様付けで呼んでるんですねw」
「まぁ花姫様はウチら三姉妹の中じゃ1番カーストが高いからねぇ〜w」
笑いながら美月姫さんはそう答える。
まぁ確かに花姫達姉妹の中では花姫が1番しっかりしてるか。
「そうだ春香ちゃん!もし良かったらご飯できるまで私の部屋でゲームしない?」
「それは楽しそうなお誘いですけど、夕飯ご馳走になるから何かしら手伝おうかなぁって考えてたんですよ。」
「大丈夫大丈夫w花姫様ならお客様にはくつろいでてって言う思うし、何より料理に夢中になった花姫様のお手伝いはかなり難しいよ?」
「あ〜、それもそうですねw」
そういえば花姫って中学の時の調理実習も張り切りすぎてグループの人置いてけぼりになってたっけ。
花姫は1つの事に夢中になっちゃうとそれにとことん集中してしまう節がある。大好きな料理に関してなら尚のことなんだろう。
「じゃあ、美月姫さん。ご飯できるまで遊びましょうか!」
「よしきた!」
「春香戻ってこないなぁ。」
食材を片付け終り少しの間待っていたが、春香がリビングに戻ってくる気配がない。
「私の部屋にいるのかな?」
そう思い鞄を持って部屋に戻るが、部屋には春香の鞄しか見当たらない。
他に思いつくのはトイレか若しくは…………、
部屋を出て美月姫姉さんの部屋の方へ向かうと案の定中から2人の話し声が聞こえてくる。
コンコン
「美月姫姉さん、開けるよー。」
「どうぞ〜。」
返事を確認し部屋に入ると二人は並んで座りながらパソコンを眺めていた。ちょうど2人の姿が重なり画面までは見えない。
「二人で何してるの?」
「ん〜、ゲームだよ?」
首だけこちらを向け美月姫姉さんが返事をした。一方の春香はゲームに夢中なのだろうかヘッドホンをつけ画面に釘付けである。私に気づいている素振りもない。
相変わらず画面は見えないが何のゲームをやっているのだろうか?…………まぁ、集中してるみたいだし後で聞けばいいか。
「じゃあ美月姫姉さん、私は夕飯の支度に入るから出来上がったら呼ぶね。」
「リョーかいっ!春香ちゃんは私が責任もっておもてなしするよ♪」
そう言って美月姫姉さんは笑顔で手を振り、再びパソコンに目を戻すのであった。
美月姫姉さんと春香はなんだかんだ仲がいいので大丈夫であろう。
私は部屋を出てキッチンに向かい
「じゃあ2人が喜ぶようなご飯を作らなきゃね!」
と意気込んで料理を始めるのであった。
次回は第2話の続きとなります。
夕飯を食べる3人の様子を書こうと思ってますので楽しみにしていてください!
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