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三姉妹トライアングル  作者: 微糖 燦
26/30

ヤンキーの桃園さんとギャルの山吹さん(2)

登校中に色々と話していたせいもあり、教室に着いたのはチャイムの鳴る5分前だった。

「いや〜ギリギリだったねw」

「せっかくの無遅刻無欠席が途切れるところだった……」

と私と春香は話しながら自分たちの席に向かった。

席に向かう途中のクラスメートの何人かと挨拶を交し、窓際の1番後ろである自分の席に着く。

春香も自分の席(私の前に)にカバンを置き、

「ん?桃園さん花姫のこと見てない?」

と私に耳打ちしてきた。

私は春香に言われてドア側の1番後ろの席にいる桃園さんを見ると、確かに春香の言うとおりこちらを見ていたのであろうか、桃園さんとバッチリ目が合った。

桃園さんは席を立ちこちらに向かおうとしてきた所で、

「はーい皆さんおはようございます!それじゃあ朝のHR始めますので席に着いてくださーい。」

とチャイムと同時に担任である卯月うづき先生が教室に入ってくる。

それを見て諦めたのだろうか、桃園さんさんは自分の席に座り前の方を向く。

(やっぱり私に何か要があるのかな?)

と私は普段あまり関わりを持たない桃園さんの事を考える。しかし考えれば考えるほど心当たりは思いつかない。

「じゃあ今日の日直は山吹さんですね〜。号令をお願いします!」

私が色々と考えている間にHRが始まり、

「うぃーす」

と気だるげな声で桃園さんの前の席である山吹さんが席を立って号令をし、そのまま先生からの諸連絡を終えHRは終わった。



「はーい、じゃあ今日の授業はここまでです。」

4時限目の数学の授業が終わり、お昼休みに突入した。

あれから授業の合間合間にある休憩時間でも桃園さんに話しかけられる事もなく、かといって一応は私の勘違いの可能性もあるのでこちらから話しかける事もできず、午前中はモヤモヤした気分で過ごしていた。

お昼休みになれば向こうから来るのでは?と若干期待してはいたのだが、桃園さんと山吹さんはいつもの様に2人で教室から出ていってしまった。

「はあ〜桃園さんの事が気になってしょうがないよ……」

私は机にうつ伏せながら春香に聞こえるくらいの声で溜息をついた。

「恋する乙女か!?」

と春香は私にツッコミをいれる。

「いやだって気になるじゃん!普段山吹さん以外の人とはあまり一緒にいない桃園さんだよ!桃園さんと山吹さんってかっこいいから仲良くなりたいとは前から思ってたし……」

と私は春香に言った。

前々から桃園さんや山吹さんと仲良くなりたいと思い話しかけようとした事はあったのだが、何を話せばいいのか分からず未だに話をした事がない。

桃園さん達とは今回のクラス替えで初めて一緒のクラスになり、なんだかんだで2ヶ月がたっている。他のクラスメートも桃園さん達の特有のカリスマオーラみたいなのに反応し、あまり話にいけてない。

「まぁ、桃園さん達って見た目はヤンキーとギャルっぽいけど悪い噂は全く聞かないし、怖がる必要とかはないんじゃない?」

と春香は言ってくる。

春香の言うとおり、桃園さんと山吹さんは見た目や言動とは裏腹に、学校生活や授業態度はかなり真面目で成績も2人ともトップクラスを取っている。

「だからこそ何か知らない内に気に触るような事をして怒らせたんじゃないかと思うと不安になるよ……」

と私は落ち込んでしまう。

「もう花姫ったら、心当たりはないんでしょ?じゃあ考えて落ち込むだけ無駄なんだから切り替えてお昼でも食べよ!」

と春香はお弁当を手に持って私の前に突き出してそう言った。

「それもそうだね…………。よし!じゃあ食べよっか」

そう言って私も机にお弁当を置く。

気持ちを切り替えたところで、さっきまでのモヤモヤと週末の疲れが一気に押し寄せ、少し甘いものが欲しくなってきた。

「ちょっと自動販売機に行って来るね」

「はいよー行ってらっしゃい」

私は春香にそう言って財布を持ち、自動販売機へと向かった。



自動販売機は1階にある購買スペースの一角にある為、3階にある私のクラスからは歩いて3分かかる。

購買スペースには多くの生徒が集まっており、各々がおにぎりやパンを買っている。

それを傍目に見ながら私は自動販売機のエリアに行き何を買おうか少し考え、ミルクティーを購入した。

さて教室に戻るかと取り出し口からミルクティーを取ったと同時に、

「あっ、風浦さん。ちょっといいかな?」

と後ろから声が掛けられる。

一瞬誰の声か分からなかったので振り返ると、そこには桃園さんが立っていた。

「あっ……、桃園さん。なんですか?」

恐る恐る聞き返すと、桃園さんは困ったかの様に頭をかきながら、

「あー、今日の放課後って暇?ちょっと二人で話したい事があるからどっか寄ってお話したいんだけど…………」

と答えた。

雰囲気的に怒ってる様子では無いので安堵しつつ、

「私は今日特に用事はないから大丈夫ですよ」

と返事をした。

「OK、じゃあ放課後教室に残ってて。…………あとコレ、落し物。周りに人がいたから渡すの遅くなったけど、返しておくね」

と1枚の写真?みたいな物を私に渡し、桃園さんは「じゃあ放課後にな」と言って去っていった。

私は写真なんて落としたかなぁと不思議に思い写真をひっくり返すと、

「!?!?」

そこには一昨日美月姫姉さんと撮ったあのプリクラが写っていた。

(え?え?なんで桃園さんが持ってるの?ていうか桃園さんにあのコスプレ姿を見られた!?/////)

と1人自動販売機の前でパニクり、後ろの人から「あのー、ジュース買ってもいいですか?」と声掛けられるまで私はフリーズしていた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

次回も第7話の続きとなりますので

よろしければ次話も読んでみてください。


またブックマーク登録や評価、感想を頂けると嬉しいですのでそちらもよろしければお願い致しますm(_ _)m

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