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三姉妹トライアングル  作者: 微糖 燦
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第6話 女子会〜三姉妹で仲良くinマイホーム〜(1)

「「女子会?」」

雪姫姉の突然の提案に私と花姫様は首を傾げ、オウム返しの如く聞き返した。

「そうよ!女子会よ!私も姉妹で仲良く休日過ごしたいの!」

雪姫姉は鼻息を荒げ興奮気味に力強くそう言った。

「??女子会って何をやるのか分からないけど、とりあえず私は夕飯の支度をしていい?」

と花姫様は雪姫姉に尋ねた。

その質問に雪姫姉はわざとらしくチッチと指を振りながら、

「その必要はないのだよ花姫ちゃん。何故ならここに夕飯兼女子会用の諸々は買ってきているのだから!」

と雪姫姉は買い物を両手に持って前に突き出しながら、したり顔で「ふふーんw」と言ってくる。

袋の中身を全て見ることは出来ないが、お刺身のパックと惣菜、あとはお菓子やジュースにお酒の姿が見える。…………ていうか、

「雪姫姉、今日も飲むつもりなの?昨日散々飲んでいたくせに。」

私は袋から缶ビールを取り出し雪姫姉に聞いた。缶ビールや缶チューハイを見て「うわぁ……。」と花姫様も若干引いている。

しかしそんな様子に雪姫姉は気づいておらず、

「やっぱ女子会にはお酒が必要不可欠だからね♪」

とあざとく缶チューハイを顔の横に持ってウインクしながらそう言った。なんかその絵面はお酒の広告みたいなポーズで少し面白く、花姫様の冷たい視線に気付かずしたり顔をしている雪姫姉のアホさに私は(雪姫姉は可愛いなぁ)と和んでしまった。

「とりあえずそんな訳で今日の夕飯は私が用意するから、準備が終わるまで二人はゆっくりしててね〜。」

と荷物を持ってキッチンの方へと雪姫姉は歩いていった。

玄関に残された私の花姫様は顔を見合わせて、

「雪姫姉さんのお酒好きはもうどうしようもないねw」

「まぁ、その長女なのにほっとけない感があるのが雪姫姉の魅力でもあるんだけどねw」

と花音様と笑い合い、ひとまず夕飯が出来上がるまでリビングでテレビでも観ることにした。


「はーい2人とも〜。ご飯の準備出来たよー!」

と雪姫姉がリビングでテレビを観ている私達に声を掛けた。

出かける前にご飯を炊いていたのだろう、20分程で完成し私と花姫様はテレビを消してテーブルへと向かう。

テーブルの上には飯台に盛られたホカホカのご飯に、様々な種類のお刺身、それに細かく切られた卵焼きやキュウリに、大きめの海苔といった手巻き寿司の食材が並べられ、その他にも惣菜の唐揚げや枝豆、サラダなんかが食卓に並んでいる。

「それじゃあ、乾杯しよーか♪」

雪姫姉は缶ビールが、私と花姫様にはそれぞれジュースの入ったグラスがそれぞれの席に置かれていた。

「乾杯って、何に対して乾杯するの?」

花姫様がもっともなことを雪姫姉に質問する。

その問いに「えーと…………、う〜んと………………。」と考えながら、

「とりあえず私達姉妹の未来永劫の繁栄ついて?」

「どこの一族の祭りですか。」

雪姫姉のアホっぽいアドリブにジト目でつっこむ花姫様。う〜ん、私達っぽい会話だなぁ。

「もうそんなの何でもいいじゃん!楽しくやろうよ!……という事で改めてカンパーイ♪」

「「カンパーイ」」

と強引に乾杯に持っていった雪姫姉に合わせて私と花姫様もグラスを持つ。

乾杯を終えると雪姫姉はビールはゴクゴクと飲み、

「ぷはぁ〜、やっぱお酒は美味しいねぇ〜。」

と幸せそうな顔で一気に一缶飲み干した。そしてそのままビールをもう一缶開け始める。

「雪姫姉、そんなペースで飲んで大丈夫?また今日の朝みたいに二日酔いに苦しむことになるんじゃない?」

私は一応心配し雪姫姉にそう言った。

しかし雪姫姉は私の心遣いをなんとも思っていないのだろう

「だ〜いじょうぶ!明日は日曜だしね♪」

と能天気にそう答えた。あ、コレはもう駄目だなと思い花姫様の方を見ると、花姫様も肩をすくめてため息をついていた。


まあ、そんな感じで乾杯から残念オーラを纏っていた雪姫姉だが、夕飯のメニューは文句無しだった(ほとんど買ってきた物だけどね)。

「手巻き寿司なんて久しぶりだねぇ〜。」

と私は海苔の上に少しのご飯と沢山のお刺身を乗せて、それをクルリと巻きながら食べる。うん、やっぱり手巻きとはいえお寿司は美味しいなぁ。

「ちょっと美月姫姉さん!一回でお刺身持って行き過ぎです!」

花姫様は私の巻き方に文句を言いながら、海苔とご飯の上にマグロの刺身と細切り卵、キュウリをバランスよく乗せ巻いている。

雪姫姉の買ってきたお刺身はマグロにサーモン、鯵やイカ·タコ、ホタテに鯛と様々な種類があり、どれも数パック買っていたのでお刺身だけでもかなりの量がある。なので私の手巻き寿司は基本全種刺身のモリモリ乗せだ(無論卵やキュウリといったものは入れてない)。それにしても、姉妹でも巻き方一つにこうも違いが出るものだな。

「え〜別にいいじゃん、お刺身はたくさんあるんだし♪」

と花姫様に答えながら刺身モリモリ手巻き寿司を頬張る。

「………………それに雪姫姉みたいな邪道な食べ方よりはマシでしょw」

と雪姫姉を指差しながら私は言った。

ちなみに雪姫姉はお刺身や唐揚げなどの惣菜をツマミにお酒を飲んでおり、そもそも手巻きにすらしていなかった。………………ていうか、手巻き寿司あなたが用意したんでしょうが!

「まぁ、何はともあれ今日は一応女子会?みたいだしさ。堅苦しいの無しで自由に好きに食べて楽しむのが良いんじゃない?」

と私は笑いながらそう言った。実際にこんなわちゃわちゃした空間が私は好きだし、なにより普段からそうだがこうやって姉妹仲良く食事をするのは楽しく幸せなことなのだ。

「それもそうね。」

と花姫様を私につられて笑顔でそう返した。

「まぁ、それはそれとして。美月姫姉さん、しっかり野菜も食べてくださいね!」

と花姫様は私にサラダを盛り付けた小皿を渡してくる。

「お前は世話焼き好きの彼女か!」

とツッコミながら小皿を受け取る。

「かっ、彼女なんてそんなんじゃないし!?」

と顔を赤らめて花姫様は言い返してくる。いや、冗談にそんなマジで返さなくても…………。

「あ〜ずるーい!花姫ちゃんと美月姫ちゃん2人だけでイチャついてる〜。」

「い、イチャついてなんかいないよ!?」

雪姫姉も雪姫姉でなんか変に嫉妬してるし。やっぱ可愛い無邪気な姉とからかいがいのある面白い妹と過ごすのは楽しいなぁ、と私は改めて思うのであった。




ここまで読んでいただきありがとうございます!

次回も第6話の続きを書きますので、読んで頂けると幸いです。


またブックマーク登録や評価、感想を頂けると嬉しいですのでそちらもよろしければお願い致しますm(_ _)m

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