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三姉妹トライアングル  作者: 微糖 燦
17/30

瑠愛先生の職場訪問(3)

星乃さんのケーキを食べようということで、私と美月姫姉さんと陽菜乃さんは仕事部屋にある机を囲むように座った。

星乃さんはケーキをそれぞれのお皿に取り分け、ケーキに合う紅茶を用意し、テーブルへと運んでくれる。

「皆様お待たせしました。どうぞ召し上がってください。」

それぞれにケーキと紅茶が行き渡り、私達はケーキを食べ始めた。

「何コレ!?このケーキ凄く美味しい!」

ケーキを一口食べ、美月姫姉さんは驚きの声をあげる。美月姫姉さんの言う通り、星乃さんの買ってきたケーキは王道のイチゴショートケーキでありながら甘すぎず、けれど口に入れたら優しい味が広がるクリームに、ふわふわの生地が良い感じにセッションしている。

「ホント、私こんな美味しいケーキ初めてかも!」

私もあまりの美味しさにケーキを運ぶ手が止まらない。私も家でたまにケーキを作るが、正直レベルが違う。やはりプロの作るケーキは凄いな。

「この近所で最近オープンしたケーキ屋さんのケーキなんですけど、多くの賞を受賞したパティシエさんがオーナーなので、今すごい人気のお店なんです。こちらお姉様の分のケーキもありますので、よろしければお持ち帰りください。」

と雪姫姉さんへのお土産を私に渡しながら星乃さんはケーキの説明をしてくれる。

こんな美味しいお店があるなら今度春香を誘って行ってみようかなぁと考えながら星乃さんに改めてお礼を言い、今度は紅茶を一口頂く。星乃さんが入れてくれた紅茶もケーキに凄く合い、(星乃さんってザ·デキる男の人って感じだなぁ)と私は星乃さんに尊敬の眼差しを向けた。

私の視線に星乃さんは微笑みで返し、

「そちらの紅茶もお気に召したなら、茶葉も持って帰りますか?瑠愛先生の家にまだたくさん置いてあるので遠慮しなくても大丈夫ですのでw」

とさらに嬉しい事を言ってくれた。

「あ、じゃあお言葉に甘えて頂きます!」

私がそう返事をすると、「かしこまりました。」と言って星乃さんは席を立った。

「相変わらず星乃さんは凄い出来る人って感じだね〜。」

と美月姫姉さんはフォークを口に咥えながら陽菜乃さんに話しかける。

「そりゃあ私の担当且つ従兄弟だからねぇ〜w」

と何故か陽菜乃さんがドヤ顔して自慢していた。

「そういえば花姫ちゃん?」

陽菜乃さんは私の向き、私の方へ顔を突き出しコソコソ話をする仕草をする。

「??」

私は何の話だろうって思いながら耳を陽菜乃さんの口元に運ぶ。

陽菜乃さんは私の耳元で笑いながら、

「花姫ちゃんがお掃除してくれてる間にツッキーから聞いたんだけど…………、花姫ちゃんって見た目によらず結構ムッツリちゃんなんだねw」

「!?!?ちょっ…………、急に何を言うんですか!」

陽菜乃さんから予想外の言葉が飛んできて、私は思わず反り返りながら少し大きめな声を出してしまう。

「どうかしましたか?」

大声に反応して星乃さんが様子を見に来たが、

「なんでもないですよー(棒読み)はははー。」

と私は必死に誤魔化した。

星乃さんは「そうですか。」と言ってまた紅茶の茶葉を詰めに戻る。それを見計らって、

「花姫ちゃん、ここに来る前にエオンで18禁同人誌を買おうとしたり、姉妹でエッチなコスプレしてプリクラ撮ったんでしょう?あの小さくて可愛かった花姫ちゃんも大人になったんだね〜w」

とうんうん頷きながら陽菜乃さんは私にそう言った。

「美月姫姉さん?(ギロリ)」

私は美月姫姉さんの方へ訴えかけるように見ると、わざとらしく目をを背けながら口笛を吹いていた。

「いや、プリクラはぬいぐるみを取ってくれた美月姫姉さんのお礼で撮ったもので…………、同人誌に関しては18禁ってことに気付かなかったんです!」

私はエロ本を母親に見つけられた思春期男の子の様に必死に弁明する。その弁明に「うん、うん。そうだね♪」と陽菜乃さんは必死に言い訳する子供を可愛がるお母さんのような笑みを私に向ける。これ、絶対勘違いされてるやつだ………………。

「もう!美月姫姉さんからもなんか言ってよー!」

私は事の元凶である美月姫姉さんに向けて叫ぶのであった。


「それじゃあ、お邪魔しました〜。」

「お邪魔しました。星乃さんお土産もありがとうございます。」

騒がしくケーキを食べた後、結構いい時間になってきたので私と美月姫姉さんは帰ることにした。帰り間際に星乃さんからケーキと紅茶の茶葉を貰い、私達は陽菜乃さんのアパートを出て駅まで歩き、電車とバスを使って家へと向かう。

帰り途中も美月姫姉さんに今日のことをからかわれたり、同人誌の事は他言無用と約束させたりと色々な事を美月姫姉さんと話した。

そうしている内に自宅に着き、私達は玄関を開ける。

「たっだいまー!」

「雪姫姉さん帰ってきたよー。体調大丈夫?」

ひとまず雪姫姉さんの二日酔いの様子を確かめようとしたが、家から返事はなく、家には誰もいないようだ。

「あっ、今LINE見たけど、雪姫姉ちょっと買い物に出てるって。」

スマホの画面を私に見せながら美月姫姉さんは私にそう言った。出掛けられるようになっているならひとまず体調は大丈夫そうだな。

「じゃあ私はひとまず部屋に戻るねー。」

「私もとりあえず自分の部屋に行くよ。」

と2人で階段を上り、それぞれの部屋へと向かう。

部屋に入るとまずゲームセンターで取ったぬいぐるみをベットに置き、一応美月姫姉さんから貰った同人誌(R-18)を机の引き出しの奥の方にしまった。

それからワンピースを脱いで部屋着に着替えてるところで、

「ただいまー、2人とも帰ってきてるんだよね?」

と玄関から雪姫姉さんの声が聞こえてきた。

私は「はーい」と返事を返し、部屋着に着替え直し終えてから1階へと降りてきた。

玄関には何やらスーパーで沢山の買い物したであろう、大きい袋を両手に持った雪姫姉さんがいた。暫くして美月姫姉さんも降りてき、

「うわぁ雪姫姉、何をそんなに買ったのよ?」

と不思議そうに尋ねた。

そんな雪姫姉さんはフフフと笑いながら、

「お姉ちゃんは妹2人にハブられて今日はとても悲しかったです!なので今日の夜は3人で女子会を開きまーす♪」

と声高らかに宣言したのであった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!これにて第5話〜瑠愛先生の職場訪問〜は終了となります。

次回から第6話が始まりますのでよろしくお願い致しますm(_ _)m


またブックマーク登録や評価、感想を頂けると嬉しいですので、そちらもよろしければお願い致します!

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