休日デート〜花姫&美月姫編〜(6)
お昼を済ませ(美月姫姉さんが奢ってくれた)店を出ると、私達は本来の目的である買い物する為、ひとまず化粧品売り場へと向かう。
化粧品売り場に着くと、私達は化粧水やクリーム系の商品を順番に見ていく。
「そういえば花姫様は普段どういう化粧品を買ってるの?」
両手に別々の化粧水を持ち、それぞれの効用を確認しながら私に質問する。
「うーん、私はそこまで化粧品とかに詳しくないから、よく春香にオススメされたのを買ってるかなぁ。このメイクのやり方も春香に教えてもらった雑誌を参考にしてるものだし。」
と私も化粧水を見比べながら(違いはよく分からない)、美月姫姉さんの質問に答えた。
自分でいうのもなんだが、私は料理などの家事スキルに関する女子力は高い方だと思うが、ファッションやメイクといったものにはかなり疎い。流行りなどは当然詳しくないし、春香と服とかを買いに行くとよく、「花姫の選ぶ服ってぶっちゃけセンス微妙だよねw」と馬鹿にされる事が多い。
逆に美月姫姉さんは家事スキルはまるっきりだが、こういうファッションとか化粧品関係は三姉妹の中で1番詳しい。本人曰く、「コスプレをするにはメイクとかの勉強が必要なんだよw」だそうだ。(ちなみに雪姫姉さんはどちらも普通くらいである。)
「う〜ん、とりあえず化粧水はこれが1番いいかな…………。とりあえず買ってくるね。」
そう言って美月姫姉さんは1本の化粧水を持ってレジに向かった。
化粧水を買い終わると、私達はもう一度娯楽エリアへと向かった。次は本屋に行くのが目的である。(美月姫姉さんが自然とゲームセンターに足を向けていたので、それは全力で止めた。)
本屋に着くと私達は漫画とライトノベルのコーナーへ向かう。
売場に着くなり美月姫姉さんは次々と新巻を確認し、それをカゴに入れていく。
「陽菜乃さんって今凄い忙しいって言ってたけど、そんなに読む余裕あるの?」
「いや、ひとまず今選んでるのは私の個人的買い物だよ〜。ひなっちにはどっちかといえば同人誌買っていった方が喜ぶと思うし。」
と言った。
同人誌ていうのはあまり詳しくないが、美月姫姉さん達がよく作っているものだろう。普通の本屋にも売ってる物なのだろうか。
私がぐるりと辺りを見渡してるのを見て、美月姫姉さんは察したのだろう、
「同人誌は流石にこういう普通の書店には置いてないかなぁ。向かいのアニメショップには置いてあるから後でそっちも見に行くよ〜。」
と答え、ある程度買う物を決めたのだろう、そのままレジの方に向かいお会計を済ませた。
本屋を出て先程美月姫姉さんが言った通り、向かいのアニメショップ(私でも名前は知ってる全国チェーンの有名店)へと向かい、そのまま美月姫姉さんの後を追って同人誌コーナーへと足を運んだ。
私は生まれて初めて同人誌コーナーを見てみたが、かなり種類と数があり驚いた。そして平積みされてる同人誌から1冊気になるものを見つけた。
「あっ、これってさっき私達が着た衣装のやつ?」
そう、あの剣士?と魔法少女?の2人が表紙に描かれている。それもさっき撮ったポーズの様に、剣士が魔法少女の手の甲にキス(よく見る騎士が姫様に忠誠を誓うポーズみたいなの)をしているのだ。
「そうだよ〜。最近流行っているアニメなんだよね!この2人のカップリングが人気なんだよ♪」
と美月姫姉さんはそれと同じアニメの他の同人誌を手に取り、それを私に見せながら答える。
「陽菜乃さんにはそれを買うの?」
「うん!ひなっちもこのアニメ好きだし、忙しくなる前に聞いたら、このアニメの同人誌が欲しいって言ってたからね〜。」
と答える。
私も自分の手にある同人誌を眺め、
「このアニメ知らないけど、せっかくだし記念に買おうかなぁ。」
と呟いた。
それを聞いた美月姫姉さんは何故か驚いた顔をして、
「えっ、買うなら一緒にレジに持っていてお会計済ませるけど…………。」
と言ってきた。
「いや、お昼も出してもらったんだし、これくらいは自分で買うよ。」
と私も美月姫姉さんと一緒に財布を持ってレジに向かおうとする。
それを何故か美月姫姉さんに止められ、
「いやいや、花姫様その同人誌買えないから。」
「??」
美月姫姉さんの言ってる意味が分からず、私は頭の中に?を浮かべる。
「あ〜、気付いてないのか…………。花姫様、その同人誌R-18指定だから。」
「え?」
私は言われて初めて手にしている同人誌の隅の方に18禁マークが付いているのに気が付いた。なんだったら周りを見てみるとそもそも今いるエリアすら18歳未満立ち入り禁止の文字が書かれている。
「正直、花姫様が18禁コーナーに着いて来たのには驚いていたんだけど、花姫様もそういうお年頃なんだね……w」
と気まづそうに言うのだった。
「かぁぁ/////」
私は状況を理解すると直ぐに手にした同人誌を元の位置に戻し、駆け足でアニメショップの外へと向かう。途中色々な人に見られている気がして顔から火が出るかと思った。
暫くすると買い物を済ませた美月姫姉さんが戻ってき、
「はいよ、一応買ってきたよw」
と先程私が買おうと思っていた(勿論18禁だとは知らなかった)同人誌を渡してきた。
「うぅぅぅ/////あ、ありがとう(小声)。」
勘違いとはいえわざわざ買ってくれたものを要らないと言うこともできず、私は恥ずかしながらその同人誌を受け取る。(同人誌は見えないようにきちんと袋に入れてある)
「それにしても雪姫姉といい花姫様といい、私の姉と妹はムッツリだなぁw」
「!?」
その後私は美月姫姉さんに誤解であることとムッツリでないことを懸命に説明するのであった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。今回で第4話、「休日デート〜花姫&美月姫編〜」は終わりとなります。
次回からはデート(ショッピング)を終えた2人が、陽菜乃の家に行く話になりますので、次回もお楽しみにしていてください。
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下手な文章ですがここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!