【超短編】小5の姪っ子と二人きりになって、つい『隙間』から見えた『先っぽ』の事を話したら…~可愛い姪との勘違い会話~
超短編投下します!
お楽しみいただけると幸いです!
見えてしまった。
そんなにジロジロ見るつもりはなかったけど、かがんだはずみに姪っ子ユイの…わずかな『隙間』から『先っぽ』が見えてしまった。
俺はドキドキが止まらなかった。
身内である俺と二人きりとはいえ、いくら何でも不用心すぎるだろ。
「危ないな」
思わずつぶやいてしまう俺。
「何言ってるの急に?」
「いや、ちょっと『先っぽ』が見えたもんだからな」
「うそっ?!」
ぎゅっと自分の体を抱きしめるようにするユイ。
「かがんだときに隙間から見えたんだ」
「馬鹿!変態!」
「ひどいこと言うなよ。不可抗力なんだからな」
「だからって、いちいち言わないでよ!」
「心配だから言ってるんだ」
「心配?あたしの成長が遅いから?」
人並みだと思うが?
「とにかく、それは危ないからきちんとカバーを付けておけ」
「カバーってなによ?!もう少し言い様があるでしょう?」
小5なのに可愛くない話し方をするんだな。
見た目はすごく可愛いくせに。
「もしかして無くしたのか?」
「元々付けてないのよ!まだ要らないと思ったし…」
「むき出しとか危ないだろ!」
「そうね!あなたみたいな危険人物に見られたりするものね!」
「誰が危険人物だ!むしろ付けていないお前の方が危険人物だろ!」
「じゃあ付けるわよ!でも無いから買ってよ!」
「ああ、わかったよ!買ってやるから出かけるぞ!」
俺はユイをショッピングセンターに連れて行く。
「おい、どこに引っ張っていくんだよ」
「どうせお子様向けのお店にするんでしょう?買ってくれるなら高級店にして貰うんだから」
「そんなところで売ってるのか?」
「当り前じゃない!」
「俺は違う店回ってるから適当に買ってこい」
俺は万札しかなかったのでとそのままユイに手渡す。
そしてユイと俺は別行動をする。
俺の用事はすぐ終わったので、さっさと車に戻った。
しばらくしてユイが小さい紙袋を持って帰って来た。
「買えたのか?」
「うん」
「おつりは?」
「はい」
小銭だけ?!どれだけ高いの買ったんだ?!
帰りの車の中で聞いてみる。
「やけに高かったんだな」
「だって毎日変えたいし」
「毎日?ひとつで十分だろ?」
「そんなわけないじゃない!」
「とりあえず、ちゃんと付けたら見せろよ」
「え?」
「だって、確認しないとだめだろ?俺がお金出したんだからさ」
「…いやよ」
「じゃあ、お母さんに言うかな」
ユイのお母さんと言うのはつまり俺の義姉さんだ。
「そんなこと言わないでよ!わかったわよ!見せるから!」
そして家に帰ると、俺の部屋にユイが入ってきた。
…下着姿で。
「どう?」
「どうって…どういうことだ?」
「あのね、上下セットのほうが似合うからって店員さんに勧められて下も買ったの」
「いや、どういうことってそういう意味じゃなくて…」
「似合ってる?」
「ああ、すごく似合ってるけど…そうじゃなくて」
「何?」
「どうして『小刀のカバー』を買いに行ったはずが下着の話になってるんだ?」
「ほへ?」
30秒くらい時間が止まった。
「なによそれええええええええええっ!」
「何叫んでるんだよっ!」
「だって!先っぽ見たって言ったわよね?!」
「ああ!小刀の先っぽな!むき出しで持ち歩いたら危ないだろ!」
「かがんだ時に隙間から見えたってどういうことよ?!」
「俺がかがんだときに、お前のバッグの隙間から見えたんだよ!」
「危ないとか言ったじゃないの!」
「むき出しとか危ないに決まってるだろ?!なんでそんな持ち歩き方してるんだよ?!」
「小刀で鉛筆を削るって授業があったの!それで借りていた小刀をおじいちゃんに返そうと思って持ち歩いていたんだけど、カバンの中でキャップが外れてたの!」
「じゃあ、なんで下着の話になったんだよ?!」
「そ、そ、そ。それは…」
ものすごい勢いで真っ赤になっていくユイ。
「あ、あんたがあたしの胸の…先っぽを…見えたことを言ったかと思ったから…だから…」
…
…
…おい。
「そんな変なこと言うわけないだろ!」
「どうしてよ?!いつも何でも話すじゃないの!小5相手にエッチな話とかもするくせに!」
「お前が聞きたがるからだろ!」
「だからてっきりあたしの胸元の隙間から先っぽが見えたことを危険って言ったかと思ったのよ!」
「そんなものいつも見えてるからいちいち言うかっ!」
「え?」
「ただいまー。今日もユイを見てくれてありがとうね」
「ああ」
俺は手形の付いた左頬を見せないように義姉さんに愛想笑いをする。
「ほら、ユイもお礼言いなさい」
「つーん」
「ユイ?」
「ふーんだ」
ふてくされたままのユイ。
「ねえ、サトシ。ユイに何かした?」
「別に何も」
「はあ、またケンカしたのね」
「まあ、そんなところか」
「どうせすぐ仲直りするんでしょうけど、次の土曜日も頼むわよ」
「俺はいいけど」
「つーん」
ユイは不機嫌なまま帰っていった。
しばらくしてRINEが来た。
ユイからだ。
『あの下着を持ち帰ったらお母さんにどうしてこんな高級品を持っているのかって聞かれるから、あんたの部屋に置かせてもらったからね。でも絶対にさわったりにおいを嗅いだりしたらだめだからね!』
『あの下着付けたくなったら着替えに行くから。行くのは別に土曜日じゃなくてもいいわよね?』
『それと…ずっと見えていたなら責任取ってよね』
責任?!それってまさか?!
『あたし連れ子だから、あんたと血はつながってないし』
そうなんだよな。
俺のアニキは子持ちの女性と結婚したんだ。
『普段からずっと見ているくらいなんだから、あたしのこと好きなんでしょう?』
確かにユイは可愛いし一緒に居て楽しいから好きだけどな。
別に先っぽがいつも見えていたから好きってわけじゃないぞ。
『でもまだ私子供だし、あと6年くらい待ってね』
6年したら16歳か。
『そうしたら…もう大人だからシテもいいわよね?』
俺は覚悟を決めてこう返事した。
『わかった。しようか』
それから30秒くらい返事が無かった。
ぴろん
おっ?
『ぷくくくく。ねえねえ、何かの事と勘違いしなかった?私は『結婚』のつもりで言っていたんだけど、あんた変態だから違うことだと思ったでしょ?』
俺はノータイムで返事した。
『結婚のつもりで聞いていたんだけど』
今度は2分くらい返事が無かったので、追撃した。
『何の意味だったんだ?』
すると電話がかかってきた。
『ばかっ!このばかっ!素直に勘違いしなさいよっ!』
翌日、ユイは俺の家に来て着替えて遊んでいた。
「おい、そのシャツだと丸見えだぞ」
「わざと見せてるのよ」
「丈が短いからおへそが出てるぞ」
「え?下着のことじゃないの?!」
「おまえ、俺にわざと下着を見せていたのか?」
「ば、馬鹿!そんなわけないじゃないの!」
俺とユイの勘違い会話はいつも楽しい。
「ちょっとあんた」
「何?」
「好き」
「そっか、俺も好きだ」
「…何のつもりで言ってるの?」
「たぶん、ユイの思っていることと違うことじゃないか?」
「そう。同じことなら良かったけど」
「じゃあ、同じことにするよ」
「…ばか」
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