〜独白〜
皆さん、ご存知だろうか。MSWと呼ばれる仕事があることを。
メディカルソーシャルワーカー、医療ソーシャルワーカーともいう。
ソーシャルワーカーという仕事も知られていないのだが、メディカルとつくと、なおの事である。
僕が、この物語を書こうと思ったのは自分の仕事を誇るでも宣伝するでもなく、ただ人の人生という物語に毎日感動しているからである。それは良くも悪くも心動かされることには違いない感動だ。
仕事をしている立場からは困った人、変わった人、問題のある人と言われる人たちの人生を紐解けば、そこには信じられないようなストーリーがある。
現代には生き方に悩む人が沢山いる。でも、それでいいんだ。沢山の生き方がある。でも、人の生き方なんて知らないで、自分の人生に悩むことが多い。
この物語は、そんな人たちが新しい生き方の選択肢を見つけられれば、そしてそれを自ら選ぶ人生の自己決定を、少しでも豊かにできれば、それでいいのだ。
ただ、読む人にお願いがある。
この物語に描かれる人は苦労した人も苦労を避け続けた人もいる。読む人には、その人が良い人が悪い人か決めるのではなく、その人の物語を、ただ人生の一つとして読んでほしい。
人の生き様こそ、美しいと。誰かが唄ったように。