ナックラヴィー
概要:
ナックラヴィー(スコットランド・ゲール語:Nuckelavee)はスコットランド民話やケルト人の神話にも登場する水妖の一種。
海中に住んでいると言われており、不作や病の流行や干ばつを齎すとされている。
ナックラヴィーの容姿は、全体的にケンタウロスに似ており、馬の様な体に人の様な上半身がついている。
ただし人体部分は馬の首のあたりにあるわけでは無く、背中から直接人間の上半身が生えているような形になっている。
頭部は直径が約一メートル程あり、その頭は体が動くたびに前後に揺れており、その顔面は揃ってオークを思わせるような豚面をしている。←頭部の表現では、藁のロープが玉になって巻かれているために頭が大きくなっているとされている場合もあるが、この辺の情報には統一性が無い。
目も口も大きく、サイクロプスを彷彿とさせる一つしかない目玉は、赤くギラギラと光っているらしい。
前足の周りにはぴらぴらしている肉厚のひれがあり、大きな口からは白い蒸気のような息がうねって吐き出されている。
背中に乗っている人体部分は大男のような形をしており、人体の脚部に当たるものが無い代わりに、その両手は地面に届く程に長い。
しかしナックラヴィーの最も気持ち悪い特徴は、皮膚の無い剥き出しの筋肉が脈打っているという点である。
皮膚がないせいか、黄色い血管の中を黒い血が流れているのがモロに見え、更に太い白い筋肉が伸びたりよれたりするという。
作物を萎れさせる毒の息を吐くが、皮膚がないせいなのか、淡水をかけると追い返すことができる。
また、海藻を焼いた時の煙の臭いも嫌うが、これを行なうとナックラヴィーは激しく怒り、モータシーンと呼ばれる、馬の不治の病をばら撒く。
創作では、しばしばゾンビ系と獣系で大きく二分される。
また、伝承のままの姿だと規制がかかりそうな外見なので、水妖という属性だけで名前を借りているものも多い。 ←なおスクエアエニックスによるスマートフォン用MMORPG『叛逆性ミリオンアーサー』では、団長アーサーのサポート妖精として、水兵の様な服を着ている少女姿で登場している。←ちなみに声は茜屋日海夏が当てている。
別名:
海坊主、オークニー諸島の馬男、ナックラヴィ、ナックラビー、SCP-3456
脅威度:
上級冒険者向け。
SCP財団によるナックラヴィー(SCP-3456)の解説によると、自分がその個体の姿を目撃してしまうとナックラヴィーは直ちにその存在に気付き、捕獲するまで追跡してくるらしい。
また、人並みの知能を持つようで、待ち伏せや罠を仕掛けるなどといったことも行うため、多くの魔物よりも格段に知能が高く、厄介であることが予想できる。
また、同財団の記録によれば、大きなものでは体高が30メートル、体長約15メートルほどと巨大であるらしく、これはケルト民族の神話とも合致する情報である。←体がでかい怪物はそれだけで倒すのが難しい上、移動するだけでも災害となるゆえに、この体の大きさは脅威だと判断したため、ここに記載した。
伝承によれば作物を枯れさせる毒の息を吐き、これは性質から鑑みるに除草剤の成分では無いかと考えられる。
これは人体が浴びると、多量であれば十分に害をもたらすものであると予想されるため、討伐の際は毒に対する準備が必要と考えられる。
また、淡水を嫌がるなどの気質を共通して保有しているため、これを利用して撃退を試みようとすると、ナックラヴィーは激しく怒って、モータシーンと呼ばれる馬の不治の病を流行らせるらしく、あまり弱点属性の攻撃を仕掛けると被害が大きくなるため、討伐には迅速な対応が求められる。
また、1916年7月3日のとあるイギリス海外派遣軍歩兵の日誌から、おそらくこのナックラヴィーという魔物は、通常人間の目には留まらない速度で移動することが可能である可能性が予測される。
このことから、討伐には身体能力強化に類する強化系スキル、および魔法の使用が必要不可欠と見られる。
生態:
悉くが不明。
しかし、ナックラヴィーがフーアの一種であるということから、人間の女性と結婚して間に子供をもうけるという特性があること、妖精の色である緑色の服を好むということがわかっている。
彼らはしばしば、状況を操作して標的とした人間を苦しめたり追い回したり罠にかけたりというふうにして遊ぶ習性があることがわかっている。
弱点:
ナックラヴィーはフーアの一種であるため、陽光と冷たい鋼に弱く、それらは彼らを即死させることができる。
また、同じくフーアであるために川を渡るのが苦手とされている。←しかしこれは苦手なだけであり、実際は渡ることが可能とする説もある。
また、伝承によれば淡水が体に触れるのを嫌ったり、海藻を焼いた時の煙の臭いも嫌う性質がある。
討伐には冷たい鋼か、陽光に関連した力を持つアイテム、スキル、魔法を用いることを勧める。
食性:
不明。
しかしおそらく人などの動物全般か、もしくは雑食。
進化/派生例:
ケンタウロスやケルピーに似ているが、派生や進化の関連性は見受けられない。
しかしフーアの一種であることから、それに属する魔物となんらかの共通の祖が存在する可能性が指摘されている。
討伐部位:
ひれ、もしくは肉。
核がある場合はそれも。
利用価値:
吐き出される毒が腐食剤や除草剤として利用できるかもしれない。
分布:
戦場跡地、テロ跡地、自然災害の被害地、海の近くなど。




