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リンドヴルム

リンドヴルム

概要:

 リンドヴルム(独:Lindwurm)は、主にドイツに伝わるほか、スカンディナヴィアでも知られている、伝説上の大蛇ないし翼のあるドラゴンである。

 日本語ではリントブルムとも表記されることもある。

 ワイバーンやアンフィスバエナと同様、中世以降の紋章にしばしば描かれており、紋章学においては雄々しさや容赦なさを表していたという。

 外観的な特徴としてあげられるのが、鱗ではなく長い体毛に覆われた毛皮を持ち、二本足で蛇のような胴体を持っているというものである。

 また、ドイツやイギリスのリンドヴルムの描写は、主に尾は鏃のように尖っており、ワニのように長い頭で鋭い牙を持つとされている。

 ただし、イギリスのリンドヴルムは蝙蝠の翼を持たない姿も多く、そういった翼を持たない個体についてはリンドドレイク(Linddrake)とも呼ばれる。

 流星と関連づけられて考えられていた事もあり、流星の化身とされていた事もあった。←古い時代にはリンドヴルムは空を飛べないと考えられ、流星とは結びつけられなかった。←稲光や流星がリンドヴルムの発したものなのではないかと言われるようになるのは、後年になってからである。

 デンマークではリンドヴルムに相当する語は「レンオアム」(lindorm)である。

 レン(lind)は「しなやか」という意味の形容詞からの派生で「蛇」を意味し、orm は英語の worm に相当する語で、これも「蛇」の意を示す。

 デンマークにおいてdragon に相当する drage (ドラーウェ)と違い、レンオアムはスカンディナヴィア元来の竜である。

 スカンディナヴィアの属する北欧では、元々翼のある竜は知られておらず、シグルズの竜退治を示した『ルーン文字碑』でも、ドイツの『ニーベルンゲンの歌』においても、竜は巨大な蛇の姿で表現されている。

 ちなみに、白いリンドヴルムを見た者には幸運が訪れるとも言われている。

 また、ドイツに1200年代から伝わる伝説の一つに、クラーゲンフルト市近くの川の主であったリンドヴルムを、数人の青年が雄牛を鎖につなぎ、それが雄牛を飲み込んだ時に魚のように釣り上げて殺したという話があることから、実はリンドヴルムはさほど強力なモンスターではないのでは?と予想される。

 しかし後年になって付け加えられた、流星や稲光などとの関連性により、ゲームやライトノベルでは雷系の属性を持っていることが多い。

 ここでは便宜上、初期にスカンディナヴィアで知られていた方のリンドヴルムを『リンドヴルム原種』、後年になって雷などの属性を付与されたリンドヴルムを『リンドヴルム亜種』と呼称することにする。


別名:

 リントヴルム、リンドドレイク、レンオアム


脅威度:

 中級〜上級冒険者向き。

 なお、『リンドヴルム』の驚異の程度においてはドイツの伝説を元に想定されたもので、後年になって付け加えられた流星や稲光と関連して、そういった属性が付加されていた『リンドヴルム亜種』の場合は、その驚異度は上級冒険者向きにまで跳ね上がることが予想される。

 『リンドヴルム亜種』の場合、雷系の攻撃魔法を使ってくる可能性が発生し、討伐は愚か、並みの冒険者では襲われれば逃げる暇なく焼け焦げにされること間違いなしである。

 『リンドヴルム亜種』の討伐において気をつけなければならないのは雷撃である。

 雷撃の対処は三種類に分かれる。

 一つは回避。

 雷撃は物理学上光速で打ち出されるため、冒険者がそれを回避するのはほぼ不可能であるが、それは逆を言えば、発動のタイミングさえ見極められれば回避は可能であると言うことである。

 まずは囮などを使って雷の発動のタイミングを見極めるなどをしてみるとどうだろうか。←というのは、まぁ下策で、普通はそんなことはしない。←するとすれば、大抵最終手段に数えられる。

 次に、水系統の魔法、もしくは土系統の魔法による防御である。

 例えば水系統の魔法であれば、純水を創り出す魔法で壁を作り出せば、雷撃の威力にもよるが防ぐことはできる。

 ウォーターロックなどの魔法でリンドヴルムを囲ってしまってもいい。

 しかし、雷撃の発生源が『リンドヴルム亜種』本体によらないものである場合は、ほとんど無意味であろう。

 そこで土魔法だが、土魔法で鉄や銅を創り出すなどをして、避雷針を身代わりに雷撃を防ぐ方法が挙げられる。

 鉄であれば電磁誘導などの効果によって、ある程度の雷撃を防ぐことは、理論上可能である。

 しかしこれも絶対ではない。

 そこで三つ目の作戦だが、簡単も簡単、超遠距離から高出力の魔導砲による集中砲火である。

 これであれば、『リンドヴルム亜種』のリーチの外から一方的に、かつ安全に攻撃することが可能である。

 仮に何か攻撃してきたとしても、何人かでリフレクションの魔法で結界を作成しさえすれば、ほぼノーリスクで討伐が可能である。

 ただ、欠点があるとすれば、その魔導砲を全て回避され、かつ結界も突破された場合ではあるが、その場合は弱体化系の攻撃でじわじわと戦闘力を削ぎつつ、肉弾戦に頼るほかはないだろう。


生態:

 ドイツに1200年代から伝わる伝説の中に、クラーゲンフルトの近くの川の主だったリンドヴルムが、川に沿って現れては旅行者を襲っていたというものがある。

 このことからおそらくリンドヴルムの性格は獰猛だったものではないかと予想される。←西洋の伝説に登場するドラゴンはだいたい獰猛なことが多い。

 後年になって宇宙の流星や稲光と関連づけられてからは、ゲームやライトノベルなどで、もともと持っていた水の属性のほかに雷などの属性が付与される事も。


弱点:

 毛皮であるため逆鱗を持たず、牛よりも硬い毛皮に覆われた皮膚は、冒険者からしてみれば弱点でしかない。

 ダメージを与えるにはそう苦労しないことが予想される。

 また、『リンドヴルム亜種』は雷を操るため、『リンドヴルム亜種』の体に水を掛けてやれば勝手に感電死する可能性も挙げられる。

 退治するなら雨の日が最適だろう。

 しかしそういう弱点を持っている場合に限って、そういったバス系の魔物の頭上には雨雲が現れないパターンも存在している。←しかしそうでない場合は毛皮に撥水の効果が付与されている可能性も考えられるが、それは作品ごとの難易度の設定に左右される。

 なので、あらかじめ水系統の魔法が使えるメイジをパーティに入れておくことを推奨する。


食性:

 肉食。


進化/派生例:

 後年になって流星や稲光などとの関連性が挙げられるようになり、『リンドヴルム亜種』が誕生した。


討伐部位:

 全身、もしくは頭。

 魔核コアがあればそれ。


利用価値:

 毛皮は防具や防寒着に用いられ、体毛などはワイヤー武器に使われることも。

 また、作品によっては肉は食用になり、腱は弓の弦として用いられることもある。

 基本的に使えない部位は無いと思われる。


分布:

 『リンドヴルム原種』は川の中などに住むが、『リンドヴルム亜種』は基本的に陸上に住む。

 また、『リンドヴルム原種』は北欧に、『リンドヴルム亜種』は西洋地域全域に生息する。

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