アンフィスバエナ
アンフィスバエナ
概要:
アンフィスバエナ(古希:Αμφισβαινα、羅:Amphisbaena)は、ローマなどの博物誌関連の書物などに登場する伝説の生物。
身体の両端に頭のついている双頭の蛇だとされているが、後世には尾の先にもう1つの頭のついている双頭のドラゴンとして表現されるようになった。←イメージとしては、三雲岳斗の小説『ストライク・ザ・ブラッド』の主人公、暁古城の3番目の眷獣「龍蛇の水銀」みたいな姿。
寒さに強く、口からは猛毒を噴き出す。←セビリャのイシドロの説明によれば、アンフィスバエナは温血動物(恒温動物)らしい。
名称はギリシャ語で「両方」を意味する「アンフィス」と「行く」を意味する「バイネイン」に由来し、「両方向に進める」という意味を持つ。
ギリシャの詩人ニカンドロスはこの名前を、身体の頭と尻尾に双方の顔を持つアンフィスバエナを体現した名前と評しているようだ。
メドゥーサの血から誕生したとされ、前方の頭が後方の頭に噛みついて転がって移動すると言われている。←古代ローマの詩人マルクス・アンナエウス・ルカヌスの『内乱』では、「ギリシア神話のペルセウスが、斬り落としたメドゥーサの首を片手にリビア砂漠を越えた時、彼女の生首から零れ落ちた血液からアンフィスバエナが生まれた」と説明されている。
ちなみに、そのアンフィスバエナの住み処は北アフリカの砂漠らしい。
アンフィスバエナは「蟻の母」とも呼称され、神話の世界では頭と尻尾にある両方の口で蟻を食べる蛇として描かれる。
古い時代には、アンフィスバエナはよく毒々しい双頭の蛇として描かれていたが、中世以降になると、鱗に覆われた脚や蝙蝠のような翼がついた、双頭のドラゴンのような姿で描かれることが増え、現在でも多くの場合、二本の脚を持ち背中に翼をもつ姿で表現されている。
また、アンフィスバエナはワイバーンやリンドヴルムと同様に、ヨーロッパの紋章に描かれている事が多い。
別名:
双頭の蛇、蟻の母
脅威度:
上級冒険者向け。
討伐するためには、両方の頭から繰り出される毒のブレス攻撃と噛みつき攻撃を警戒しなければならない他、司令塔である頭が二つあり、別々に動きながらも連携を取ってくるので、頭と尾の挟み撃ちにも注意を向ける必要がある。
毒のブレス攻撃の威力のほどについては作品によって前後するが(ブレスではなく毒液を噴き出すというパターンのものもある)、しかし二つの口よりも後方を常に陣取ることで、毒攻撃を回避することは可能。
ただし、一方の頭に注意を傾けすぎると、もう片方の頭による噛みつきがくる可能性が高くなるので、常に双方の頭には注意を向ける必要がある。
また、砂漠の夜を越せる程度には寒さに対して耐性があるため、見た目が爬虫類であるからと言って氷属性などの魔法が有効ではなく、寧ろ効果は今ひとつである。
また、同じ理由で加熱系の攻撃にも耐性を有しているため、状態異常として火傷の効果を狙うのは難しいだろう。
また、翼を持ち、空を飛ぶ事もあるために上空からの奇襲にも気をつけなければならないし、生息地が砂漠であるため、こちらの機動力はかなり削がれることが予想され、空からの攻撃となると並みの脚力では回避ができないだろう。
翼を持たない種類なら、地下からの奇襲もあり得る。
しかし、アンフィスバエナも竜種の一つであるため、それなりに自身の戦闘能力に慢心している可能性も考えられ、奇襲を仕掛ける可能性は至って低いだろうとも考えられる。
また、アンフィスバエナは尻尾に噛み付いてタイヤのように転がりながら地上を移動する特性があり、砂上での機動力も人間のそれとは比較できないだろう。
もし見つかってしまえば、そこそこ腕の立つ冒険者といえど路傍の花のように命を散らすかもしれない。
なので、対処法としては魔法で砂漠の地面を歩きやすいように整えることを勧める。
攻撃に使う魔法は、衝撃を体内に浸透させる系の打撃技か、噛みつき攻撃をしてきた際に、口内に向かって爆発系などの高威力の魔法を体内に叩き込む方法が有用と考える。
生態:
性格は獰猛で傲慢。
一方で臆病でもある。
もう一方の首に噛み付いて、タイヤのように転がりながら移動する。
弱点:
内臓。
外皮は鱗などに覆われており、結構頑強で普通の攻撃はダメージが入りにくい。
食性:
肉食。
主に虫などを食べる。
進化/派生例:
ファンタジー作品では、だいたい二本の頭に関する能力がプラスαされてる。
討伐部位:
魔核か牙(毒牙)が大半。
利用価値:
牙は武器に、毒は解毒剤に、鱗は鎧に、翼は革細工に用いられる。
肉は作品によって食べるか食べないかはまちまち。
分布:
砂漠などの砂地。
ちなみに、アンフィスバエナは爬虫綱有鱗目ミミズトカゲ亜目に属する「ミミズトカゲ」とよばれる地中に生息するトカゲの英名でもある。




