サハギン
サハギン
概要:
サハギン(英:sahuagin)は、ロールプレイングゲームを主とするファンタジー系の創作作品に登場する、神話や伝承に由来しない架空の生物であり、半魚人の一種。
サハギンと読む場合に限ってはsahaginと綴ることもある。
かの有名なTRPGである『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)では、サハギンの身長は平均的な成体のオスで約180センチ、体重は約90キロほどと説明されている。
また、『サハギンは鱗のある半漁人』という記述もあり、『背中は深緑色で、腹の周囲は白っぽい色をして』おり、『緑色の肌には黒い斑点や斑模様があることも多いが、齢を経ると徐々に色あせていく』らしい。
他にもサハギンには以下の特徴がある。
・頭頂部から背中にかけて背鰭があり、耳の位置には前ひれがある。
・両肘にも鰭があり、尻尾の先には尾鰭がある。
・大きな口にはサメのような鋭い歯が並んでいる。
・両手、両足には水かきがあり、鋭い爪が伸びている。
・彼らはこの鰭や水かきを用いて水中を素早く移動することができる。
・瞳は黒く輝いている。
・サハギンは眩しい光にさらされると目が眩んでしまう。
・サハギンは稀に腕が4本生えた変異体が生まれる。
・サハギンは海棲生物で、真水には適応できない。
・陸上での長時間の活動には制限がある。
海に棲む半魚人のモンスターであるが、それ以外の特徴は作品によって異なる。
これは一例だが、彼らの中には人間のような完全な直立二足歩行をする者や、前屈した不完全な直立型の二足歩行をする者、猿やゴリラのようにナックルウォークをする者もあり、銛やトライデントなどの武器を持つ者もいる。
オリジナルは『D&D』に登場するモンスターであるサフアグンだが、スクウェア・エニックスのゲームソフトである『ファイナルファンタジーシリーズ』に代表されるコンピュータRPGにも登場する。
また、それらの世界観に影響を受けた小説や漫画などの創作作品にも登場する。
サハギンをデザインしたのは、後に『ダンジョンズ&ドラゴンズ・エキスパート・セット』の製作にも参加したスティーブ・マーシュである。
彼はLDS教会のパンフレットにあったスペイン人歴史家ベルナルディーノ・デ・サアグンから名前を捩ったとしている。
また、発想の源としてジャスティス・リーグのアニメやアステカ神話などを挙げている。
半魚人と表記されることもあり、最近では伝説上のそれとは明確には区別されていないことが多い。
たまに魔物ではなく亜人として登場することもある。
別名:
半魚人、フィッシュマン、サファギン、サヒュアジン、サフアグン
脅威度:
中級冒険者向き。
身長や体重を鑑みると、サハギンの成体は臆病ではないオーガに匹敵するため、中級冒険者程の実力を持つ冒険者と同等ほどの戦闘能力を持つと思われる。
しかし、銛やトライデントを振り回し、中距離からの攻撃を得意とするサハギンと海上でエンカウントした場合、その遊泳能力を鑑みれば、船の性能によっては上級者並みの実力が要求される。
また、サハギンとの水中戦闘は自殺行為に等しく、もし遊泳中に遭遇したとしても並みの人間の泳ぐ速度では対応しきれない。
生態:
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』において説明されるサハギンの生態によると、サハギンのメスは6週間に1個ほど、人間の拳2つほどの大きさの卵を産む。
その卵は3週間ほどで孵化し、約25センチほどの稚魚となり、成育するまで6〜8週間ほどかかるようだ。
サハギンは非常に長命な種族で、その身体は成人後も成長し続ける。
600歳を超える一族の王ともなると、身長は約283センチ、体重は約145キロにもなる。
メスのサハギンはオスよりは小柄で、出産による生命力の低下もあり寿命は200歳ほどである。
弱点:
長時間陸上で活動することができないので、陸上戦闘に持ち込むことができれば勝機が見える。
魔法が使える場合は、積極的に足場を確立することが望ましい。
ただし、海中にいるサハギンに対する射撃系の魔法は回避される可能性が高いため、海中へ魔法攻撃を放つ際は、できるだけ広範囲に効果を及ぼす魔法を選択すると効率がいい。
なお、真水には適応できないため、弱体化措置として浄化系の魔法を海水に施す作戦が有効と考えられる。
食性:
肉食。
比較的大きめの魚や、船の上にいる人間等も襲って食べる。
進化/派生種:
恐らく伝説上の半魚人や水棲人の派生種と考えられる。
討伐部位:
だいたい鰓。
もしくは魔石がある設定ならそれ。
利用価値:
鰓は錬金術や魔術の素材アイテムとして活用されることがあり、肉は食用として供されることもある。
また、鱗や革が鎧の素材になったりもする。
分布:
海の中に生息。