おとぎ話のかみさまは困っていました
娘が幼稚園の頃に、寝る前のお話です。
娘から、 魔法、女の子、桃太郎、とお題をもらって作ったお話。
むかしむかし、お空の彼方におとぎ話の神様がいました。
おとぎ話の神様は困っていました。
とっても良い子の女の子にお願いがあります、とお祈りされたからです。
「男の子ばかり悪者成敗してずるい」
なので神様は女の子が一番好きな「桃太郎」を少しお話を変えてみました。
――――むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ある日おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると
ピンクに光る大きな桃が、どんぶらこっこと流れて来ました。
おばあさんは桃をお家に持って帰りました。
おじいさんが桃に手を当てると、
チャラリラリラー!音楽と共にパカッと桃が割れました。中には可愛い女の子がいました。
女の子は「桃子」と名前をつけてもらい大切に育ててもらいました。
桃子ちゃんは、桃から産まれたので不思議な力がありました。それは動物達とお友達になれることです。
里に遊びに行けば、旅していた白い犬と、
山に木の実を拾いに行けば、素早く動くお猿と、
草原にお花を摘みに行けば、大きな雉と、仲良くなりました。
―――――(うーん、さてどうするか)
神様は少し考えました。女の子に鬼退治をどうやってさせるのか。一生懸命考えて、
(そうだ!あの手を使うか!お月様に手伝って貰おう)
―――――桃子ちゃんが、大きくなった時、都では悪い鬼が暴れ回っていました。
………ある満月の夜、寝ていた桃子ちゃんはお月様の声を聞きました。
「桃子ちゃん、神様からあなたに渡す物があります。これを受け取りなさい、そして鬼ヶ島にいる、悪い鬼達を退治するのです」
桃子ちゃんが目を覚ますと、手にはピンクの魔法の杖を握っていました。
「おじいさん、おばあさん、桃子は鬼ヶ島に鬼退治に行ってきます」
おじいさんは桃子ちゃんに、ピンクのお洋服を用意してくれました。
おばあさんは世界一のきびだんごを作ってくれました。
桃子ちゃんはお友達の、犬と猿と雉をお供に鬼ヶ島に出発しました。
鬼ヶ島では可愛い女の子がやって来たので、鬼達は大笑いしました。
その時、お空からチャラリラリラーと音楽が流れて来ました。桃子ちゃんは魔法の杖をひとふりすると、
「マジカルプリンセス、ピーチスター」
に変身しました。そしてお供の犬と猿と雉にきびだんごを食べさせます。すると
犬は星の流れる速度で走れるようになる「スターホワイトワンコ」に、
猿は両の手に何でも切れる刀を持った「スターブラウンウッキー」に
雉は一度羽ばたくと嵐を起こせる、「スターグリーンケンケン」
へと姿を変え、鬼と戦う準備が出来ました。
「うぬ、生意気な!やっつけてやる!」
鬼はピーチスター達に襲いかかりました。
スターホワイトワンコは、目に見えないスピードで走り回りながら鬼達を噛みついて行きます。
スターブラウンウッキーは、スッパッ!スッパッ!と鬼達を刀で切り裂いて行きます。
スターグリーンケンケンは、大空高く飛び立つと、ごうごうと風を起こして鬼達を吹き飛ばします。
そしてマジカルプリンセスピーチスターは魔法の杖をお空に掲げながら、無敵の呪文を唱えます。
「キラキラ光る夜空の星よ!マジカル、プリンセス、ピーチ、スター!」
チャラリラリラーと音楽と共に辺りはピンクの光に包まれ、悪い鬼は退治されました。
「正義は!勝つ!」
それから桃子ちゃん達は、世界の平和を守るため、悪者達をビシバシに退治する旅に旅だちましたとさ。
―――――めでたし、めでたし。
お、わ、り。