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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第55話 姉を買う




『あなた、異世界人よね?』

「……ああ、そうだ」


『勇者の仲間、というわけね?』

「……ああ」


魔族であるミネリアに、自分が勇者の仲間だということを肯定したヒロキ。

ミネリアの反応に、緊張する……


『わかったわ……』

その反応は、ヒロキの想定外だった。

魔王と敵対している勇者の仲間が目の前にいる。


魔族の1人としては、何か反応があるかと思ったんだが……


「勇者の仲間と知っても、何もしないんだな……」

『……魔族のすべてが魔王の配下じゃないわ。

あなたたち人族でも、いろんな国が在るでしょ? それと同じよ……』


「そうか……」




朝食も終わり、ミネリアとの話も終わって、俺は家を出る。

少し出かけてくることをミネリアに話すと、自分はこの家で待っているという。


何でも、まだ、疲れがとれないらしい。

俺が訳を聞いたが、寝不足が続いて疲れがとれなかったところに、

昨日の戦闘で、かなり疲弊したと。


で、疲れを取りたいからと、朝食の後メイドゴーレムとともに、

寝かされていた部屋に戻った。


……なんというか、肝が据わっているな。



俺は箱庭を出ると、昨日の街道から町へ入って、

そのまま、グラーバル奴隷商へと足を運んだ。




入り口から中へ入ると、オーナーの男がちょうど奥の部屋から出てきた。

そして、俺を見つけて声をかけてくる。


「いらっしゃいませ。 再びのご来店ありがとうございます」

「オーナーさん、購入したい奴隷があるんだが?」

「ほう、私どもの奴隷で購入したい商品が?」


「ああ、女性奴隷の部屋で最後に見た奴隷を購入したいんだが?」

「ん~、あの奴隷ですか?

まあ、まずはこちらへどうぞ」


そう言って、オーナーは俺を女性奴隷がいる部屋へ連れていく。

そして、廊下を歩いて、最後の部屋にいる魔族の女性奴隷のもとへ連れていった。


「この女奴隷で、よろしゅうございますか?」

……ん、鑑定魔法で、名前が『ルビニア』となっている。

間違いなく、ミネリアの姉だな……


「ああ、この奴隷で間違いない」

「では、こちらの女奴隷、金貨50枚となります」

「……やっぱり、他の女性奴隷と比べると、安いんだな」


「ええ、魔族の奴隷は、人気がありませんからね……」

「そうか……」


その後、契約の部屋で契約をおこない、正式にルビニアは俺の奴隷となった。

契約をするとき、嫌がられたり、暴れられるかなと思ったが、

それは杞憂に終わった。


どうも、あちこちの奴隷商をたらい回しにされたみたいで、

早く奴隷商館から出かかったみたいだ。


俺は、ルビニアを連れて屋敷に戻り、自分の部屋に連れてきた。


すると部屋に入るなり、ルビニアは跪いて、

『ご主人様、これから私、ルビニアをよろしくお願いします』

「……」


俺が黙っていると、ルビニアは悲しい顔になり、

『やはり、言葉が通じませんか……』

そう言って、顔を伏せる。


「ああ、すまない、ルビニアの言葉なら通じているから、心配するな」

俺が声をかけると、ふせていた顔を上げて、

『あ、ありがとうございます、改めて、よろしくお願いしますご主人様』


最後に、ニコッと笑うと、すごく魅力的に見えた。


……もしかして、これが魅了されるというやつか?




ルビリアは、頭に魔族の特徴である角が生えているものの、

他は、人族とほぼ変わらなかった。


髪は銀色で、肩までと長く、結んだりしていない。

服装は、奴隷商で、普通の平民が着る服を着ているが、

体のラインまでは隠せてなかった。


まるで、淫魔のように艶かしく大きく形のいい胸、

腰のくびれは、さすがに服で隠れていて、お尻は形がいいものだ。

俺が見るに、安産型というやつだろう。


『……あの、ご主人様?』


おっと、ルビニアを観察していたら、黙ったままだったらしく、

心配されてしまったようだ。


「ああ、すまない。 少し考え事をな……」

『そうですか』

「そんなことより、ルビニアの住む場所なのだが…」


『はい、ご主人様の奴隷。 どんなところでも、かまいません』

「……まあ、そう言ってもらえると助かる。

この屋敷に住むわけではないからな」


少しだけ、ルビニアの表情が曇った。

『はい……』

「とりあえず、俺について来てくれ」


そう言って俺は、空間魔法を発動し、箱庭への入り口を出した。

白い、扉ぐらいの大きさの入り口が、部屋の中央に現れる。


「さて……」

『……あ、あの、ご主人様、これは……』

「ああ、これは俺の空間魔法だ。 この中へ入ってもらうが、かまわないか?」


さらに、表情が曇るルビニア。

少しだけ、箱庭への入り口と俺の顔を交互に見て決心がついたらしい。

『わ、分かりました!』



「まずは、俺が入るから、ついて来てくれ」

『は、はい!』


そして、箱庭に入っていく俺。

それを見て、もう一度気合を入れて、思いっきり箱庭への出入り口へ飛び込む。

目を瞑り、何か体に異変がと思うが何もない。


「ルビニア、目を開けてみろ?」

恐る恐る目を開けると、そこには、広大な町が広がっていた。

それを見て、口を開けて驚くルビニア。


固まってしまったルビニアを見て、苦笑する俺は、

すぐに自分の家に歩いていく。


「ルビニア、こっちだよ?」

俺は、ルビニアの左手を握り、自分の家に誘導していく。

その間も、ルビニアはこの箱庭の景色に驚きっぱなしだ。








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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