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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第50話 森で迷う




「何よ……これ……」


刀の勇者である、安藤が雷の勇者の飯島を連れてこの町へ来た。

理由はまだ分からないが、馬車で、しかも複数できていることから、

何かあったのだろう。


冒険者ギルドから出て、さっそく俺たちが暮らす屋敷に案内した。

そして出た第一声だ。


「相沢たち、こんな屋敷に住んでいるの?」


飯島も、俺たちの暮らす屋敷を見て驚いているようだ。


そもそも、何故俺たちがこの屋敷に住むことになったのか、

驚いている2人に、説明をすると、


「……やっぱり、一条たちが危惧したとおりになっているわね」


一条というのは槍の勇者だ。

そして、俺たちのクラスメイトでもある。


「それで、中に入るのか?」

「そうね、松尾先生はいる? 先生にお願いがあってきたんだけど……」

「中で待っとけよ、呼んでくるから…」


「お願いね、相沢君」


俺は、屋敷のリビングに安藤たちを案内すると、2階の自分の部屋から、

箱庭にいる松尾先生を呼びに行った。



最近俺たちは、2組に分かれて、箱庭組と外組とで活躍をしている。


箱庭組は、そのまま、箱庭を暮らしやすい場所にするために、

いろんなことをしている。


畑を耕したり、必要なポーションなどの薬を作ったり、

雑貨屋に並ぶ商品を考えたり、食堂のメニューを考えたりだ。


とにかく、箱庭の生活向上を目指して、頑張っている。



外組は、箱庭ではできないことを学んだり、

それぞれのレベル上げや、スキル習得を目指して努力している。


また、野生動物などを捕まえて箱庭に放したり、

冒険者ギルドなどで依頼を受けて、お金を稼ぎ、箱庭にはない商品などを

仕入れたりしている。


ここにきて、すでに全員のレベルは100を超え、

それぞれで動けるようになったため、外組は、単独行動などになっていた。




箱庭に入り、すぐに松尾先生の家に訪問する。


玄関の表札を確認して、松尾先生を呼んでみる。


「松尾先生! いますか?!」


しばらくして、玄関扉が開くと、松尾先生が出てきた。

「どうしたの? 今、ポーションを作ったりして、忙しいんだけど……」


「松尾先生を訪ねて、屋敷に安藤たちが来てます」

すると、すぐに松尾先生は、顔を曇らせて、

「安藤さんは、今最前線でしょ? ……本当に、安藤さんが?」


「はい、何かお願いしたいことがあるとか……」

「わかった、すぐに行くと伝えてくれる?」

「了解です」


俺はすぐに、箱庭を出ると、屋敷のリビングに待たせている安藤たちに、

報告に行く。

すると、リビングには、安藤と飯島と他に、女子中学生が2人いた。


「お待たせ、松尾先生はもうすぐ来るそうだ」

「そう、ありがとう」


安藤にお礼を言われてから、俺は冒険者ギルドの依頼を達成するため、

玄関から外へ出ると、安藤たちが乗ってきた馬車が玄関先にとめられていた。


そして、女性兵士2人が、馬車の側で話し込んでいる。


俺はそれを横目で見ながら、通りに出て町の外を目指した。


勇者である安藤と飯島が、なぜこんな辺境の町に来たのか、

松尾先生に会って、何をお願いするのか、

あの女子中学生2人を見て、すぐに察しがついた。


安藤たちは、あの女子中学生2人を、松尾先生に保護してもらうつもりだ。

それにしても安藤自ら来るとは……


勇者がこんな場所に来ても問題にならないのなら、

戦況は、一応一段落したのだろう。


そんなことを考えて、ふと気づくと町の外へ出ていた。

さて、森の中に入って依頼をこなさないとな。


今日の依頼は、トレントの素材を集めること。

箱庭の森に、生きているトレントを何体か放すことだな。


そして、森の奥深く、トレントの生息する場所へ向かう。




武闘家ゴーレムを3体召喚し、俺を守るように森を進む。


野生動物を見つければ、すぐに土の鎖で動けなくして箱庭へ送り放つ。

魔物を見つければ、武闘家ゴーレムたちがボコボコにしていく。


今回、魔物は、ボコボコにするだけで倒さない。


なぜなら、依頼がトレントの素材集めであるから、

他の魔物の素材を持っていっても、目立つだけなのだ。


ソロでこんな森の奥深くまで来ているのだ。

他の冒険者たちから見れば、おかしなこととなる。


ただ、トレントの素材だけを持っていけば、忍び足や隠匿スキルを使って

集めたのだろうという想像ができるのだ。

現に、そんな冒険者が何人もいるので、そんなに珍しいことではない。



「……場所は、この辺りだな。 気配察知で探るか……」


そして、トレントを見つける。

武闘家ゴーレムに指示を出し、トレントをボコボコにして倒す。

後は、トレントの素材を集めていく。


これを3体のトレントで、繰り返したら、

4体目からは、倒さずに箱庭の森への入り口へ誘導する。



3時間ほど繰り返すと、箱庭の森へ生きたトレントを10体ほど送れた。


「10体のトレントを送ることができたか。

しかし、箱庭の大きさは東京都とほぼ同じ、10体では足りないな~」


俺は時間を気にしながら、森をさまよっていく。


「まずいな……道に迷ったみたいだ……」


今日は、トレント狩りに夢中になり森の奥深くまで来てしまったようだ。

俺はとりあえず、空間魔法で箱庭へ入り自分の家へ戻った。








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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