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相沢ヒロキ、異世界へ行く!  作者: 光晴さん


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第46話 箱庭の村へ行こう




グラーバル奴隷商から帰宅して、その日の夕食時に、

他のみんなに話を聞くと、いろいろな奴隷を購入してきたようだ。


しかも、みんな訪問した奴隷商で、家族奴隷を購入しており、

箱庭の村には、たくさんの家族が暮らすことになるだろう。


また、他の奴隷商でも、ひどい人生を送って奴隷に落ちた人たちがいるようで、

その話になると、みんなのテンションが下がっていた。


その代わり、病気、呪い、欠損などで苦しんでいる購入した奴隷には、

松尾先生や、藤原、山本や、石原が全力で何とかすると言っていた。

とりあえず、頑張ってもらおう。




次の日のお昼頃、購入した奴隷たちが一斉に屋敷に届いた。


奴隷たちは、馬車から降りると、連れてこられた屋敷を見てまずは驚いていた。

そして、次に連れてこられた奴隷の多さを見て、さらに驚く。


奴隷商の馬車が、購入した奴隷を置いて帰ると、

とたんに、奴隷たちは不安になってきたようだ。


屋敷の大きさと、奴隷の数が釣り合っていないからだ。

自分たちがどうなるのか不安になっていた。



「皆さん、おはようございます。

皆さんは、私たちに購入された奴隷ですが、この屋敷に住むわけではありません」


一段高い所から、声が聞こえてそっちへ顔を向けると、

女性が大きな声で、話をしてくる。

しかも、目の前の大きな屋敷に住むわけではないという。


奴隷たちは、ますます不安になっていたが疑問を言うこともできずに、

黙って主人の1人の言葉を聞いていた。


「これから皆さんには、それぞれの契約者とともに、

私たちが造った村へ向かいます。

皆さんには、私たちの造った村で生活してもらいたいのです」


奴隷たちは、一瞬訳が分からなかったが、

それぞれの契約者が、購入した奴隷を連れて、いつの間にか用意されていた、

ドアを開けて、その中へ入るように言ってくる。


もしかしたら、自分たちは大変な主人のもとに買われたのではないかと、

まずまず困惑するものの、命令には逆らえず、ドアの中へ消えていった。



ドアの中へ、次々と消えていく奴隷たち。

そんな中、木下先生とその契約奴隷の、迷い人の3人と遠藤は疑問を口にした。


「せ、先生、私たちはどこへ行くんですか?」

「あのドアはね、空間魔法が付与されているのよ。

だから、そのドアを通ると、目的地の私たちが造った村へ行けるのよ」


「空間魔法……」

『あ、あの、私たちも行かなくてはいけませんか?』


「ええ、皆さんにも私たちの村で、安全に暮らしてほしいので、

ぜひ、村へ来てください。

あ、それと、3人には、この指輪をはめてくださいね」


木下先生は、ポケットから3つの普通の指環を取り出した。

その指輪は、金色をしているが何の模様も宝石もはまってない指輪だ。

迷い人3人はそれぞれ指輪を受け取り、じっくり観察するが普通の指環だった。


「どうぞ」


木下先生の顔を、迷い人3人が見るが笑顔で嵌めるよう勧めるだけだ。

3人は恐る恐る指輪をはめると、何か来るかと覚悟するものの、

何にも変化がない事に、自分の周りをキョロキョロする。


「あの、この指輪って何なのでしょうか?」


その言葉を聞いた遠藤は、驚いていた。

「せ、先生、その指輪って、もしかして『翻訳の指環』ですか?」

「「「……え?」」」


「遠藤さん、正解です!

言葉の壁は、生きていく中で一番困ることですからね。

だから、相沢君たちが作ってくれたんですよ」


「……相沢達って、魔道具が作れるようになったの?」

「フフ、遠藤さん、みんな成長しているんですよ。

みんな、この世界で生きていくのに頑張っているんですよ、ね?」


「あの、この指輪をはめていれば、みんなの言葉が分かるんですか?」

「はい、もう何を言っているか分からなくて恐怖することはないんですよ」

「……」


迷い人の3人は、指輪のはまっている手を抱きしめながら、

涙を流していた。




「さあ、行きますよ~」

ドアを開けて、中へ入っていく木下先生に続き、迷い人の3人、遠藤と続いた。

そして、ドアをくぐって目の前に広がる景色に、あ然となる。


「何……これ………」

遠藤が見た景色は、広大な場所にいろんな家が並んでいる、

村というより町に近い場所だった。


家が10軒以上並んだ先には、大きな広場があり、さらにその先に、

家が並んでいた。


また、ぐるりと周りを見れば、山々が遠くに見え、

その麓には森が広がっているようだった。


さらに、広大な畑も見えているし、よく見れば牧草地帯も確認できた。

「これが、先生たちが造った、村?」

「そうよ~、どう? すごいでしょ?!」


木下先生は、笑顔で遠藤に自慢している。

「すごい……すごいですよ、木下先生!

こんな村が、クラスメイトで造れるんですね……」


「本当に、すごいわ……」

迷い人3人も、周りを見渡しながら感心していた。


木下先生は、目の前にあった1件の家の前に移動すると、

「みんな、みんなの住むお家はここになります」と、紹介する。


4人の目の前にあった家は、屋敷というより大きな家。

木下先生を入れて5人で住むには、十分な家が建っていた。


迷い人の3人は、家の中が気になるのか、すぐに中へ入っていった。

「先生、他の奴隷たちも、私たちと同じような家に住むんですか?」

「ええ、ただ、家族奴隷の人たちは、それぞれの家族で1軒が用意されているわ」


確か、遠藤のいた奴隷商で先生たちが購入した家族奴隷は8家族。


その家族だけではなく、他の奴隷商からも家族奴隷を購入していた。

そのすべてに、家を用意してあるとなると……


遠藤は後方にいる木下先生たちの活躍に、驚きっぱなしだった。








読んでくれてありがとう、次回もよろしく。


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